「配偶者ビザの更新って、どんな書類が必要なの?」「期限はいつまでに申請すればいいの?」——これは配偶者ビザをお持ちの方からよくいただく質問です。
配偶者ビザは、日本に在留する外国人が日本人配偶者や永住者配偶者と一緒に安定した生活を送るために不可欠な在留資格ですが、その更新手続きは意外と複雑です。
一見「更新だから安心」と思われがちですが、入管は更新申請でも「本当に夫婦としての実態があるのか」「生活基盤は安定しているのか」「素行は善良か」を厳しく審査します。書類に不備があったり、夫婦の生活状況に疑問を持たれたりすると、不許可となるケースも少なくありません。
本記事では、配偶者ビザ更新の申請時期・必要書類・不許可になりやすいケース・スムーズに更新するためのコツをわかりやすく解説します。この記事を読めば、配偶者ビザ更新の全体像がつかめ、自分で申請するイメージが湧くはずです。
また、配偶者ビザは「1年」「3年」「5年」の在留期間が付与されます。今後「永住許可申請」をしたいと考えている場合は、「3年」以上の在留資格を持っていることが申請条件となっておりますので、「1年」の在留資格にならないように特に注意してください。
① 配偶者ビザ更新の申請時期
配偶者ビザの更新は、在留期限の3か月前から申請可能です。例えば「在留期限 2025年6月30日」であれば、2025年3月30日から申請ができます。
更新申請は必ず期限内に行う必要があります。ギリギリの申請は不備があったとき修正が間に合わず、不法滞在となるリスクもあります。理想は在留期限の1〜2か月前には申請を済ませることです。
また、配偶者ビザの更新期間はおおよそ2週間から1カ月間となっております。
早い人はすぐに申請がおりますが、少しでも入管に疑念を持たれると審査期間が長くなるケースがあります。スケジュールに余裕をもって、虚偽のない正確な書類を提出しましょう。
② 配偶者ビザ更新に必要な書類
配偶者ビザ更新に必要な書類は、大きく分けて「基本書類」と「任意の書類」があります。
【基本書類】
- 在留資格更新許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm/申請前3か月以内に撮影された無帽・無背景で鮮明なもの)
- 在留カードまたは在留カードとみなされる外国人登録証明書(申請時に提示)
- パスポート(申請時に提示)
- 配偶者(日本人)の方の身元保証書
- 身元保証人の印鑑
- 身分を証する文書等
- 配偶者(日本人)の住民票(世帯全員分/発行日から3か月以内/マイナンバーのみ省略)
- 配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書/発行日から3か月以内/婚姻事実の記載があるもの)
- 日本人配偶者の住民税の課税(又は非課税)証明書・納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されているもの/発行日から3か月以内)
【任意で提出を推奨する書類】
【理由書】(婚姻状況・生活状況に変化がある場合は特に推奨)
→理由書を書く際は、「他の提出物と記載する内容を一致させる」ことに注意してください。一致していない場合、虚偽申告を疑われてしまい、一発不許可となる場合や、「1年」の在留期間となってしまう可能性もあります。
【確定申告書類】
→投資等をしている場合等、うっかり忘れてしまう方も多くいるため事前に自分の状況は確定申告が必要かどうか確認しましょう。
など。
【追加資料を求められる場合】
- 夫婦の写真(結婚式・旅行・日常生活など)
- 収入・支出明細等
など。
それぞれの状況によって提出したほうがいい任意の書類や入管から求められる追加資料は異なってきます。追加資料を求められた場合は、放置せずに早急かつ適切に対応していきましょう。
③ 配偶者ビザ更新で不許可になるケース
【別居している場合】
→転勤などでの別居を理由とする場合でも、入管は「なんで一緒に行かないの?」「婚姻関係が継続してないの?」「実は偽装結婚?」と疑われ、不許可リスクが高まります。合理的な別居理由の説明等の疎明資料を添付しましょう。
【収入が不安定な場合】
→収入減少や税金滞納は不許可の大きな要因です。配偶者に十分な収入がないと「生活が維持できない」と判断されます。フリーランスや自営業者は特に証明資料が重要で、収入が大幅に減少している場合は、補足説明をしていきましょう。特に、税金の滞納、支払遅延には気をつけてください。
【婚姻の継続性に疑いがある場合】
→書類の不一致や説明不足は入管の不信感につながります。提出書類に一貫性がない、生活状況の説明が曖昧、といった場合は「信頼性欠ける」と判断されてしまうため、記載内容に矛盾がないか必ず事前に確認してください。
【素行上の問題がある場合】
→犯罪歴や入管法違反、交通違反の繰り返しも審査に影響します。
配偶者ビザの更新の審査では、生活状況や夫婦関係が総合的にチェックされます。「一回許可が下りてるし更新だから安心」とはならないので、日ごろから注意しておきましょう。
④ 配偶者ビザ更新をスムーズに進めるコツ
- 余裕をもって申請準備を始める(1〜2か月前に行動開始)
- 証拠資料は多めに用意する(入管は「疑わしいものは不許可」のスタンス)
- 専門家に相談する(別居している・収入減少・追加資料を求められた経験がある方は特に推奨)
まとめ
配偶者ビザ更新は「期限を守る」「必要書類を揃える」「夫婦の実態を示す」ことが大切です。
ただし実際には、ほんの小さな不備や説明不足で不許可になる例も少なくありません。自分でできそうと思っても、「これで本当に大丈夫かな…」と不安を感じたら、専門家に相談するのが安心です。
配偶者ビザ更新を確実に通したい方は、ぜひ専門家にご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・配偶者ビザサポート
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