【1】配偶者ビザ審査で重視される3つの主要ポイント(結婚の信憑性・生活の安定性・素行要件)
配偶者ビザ(正式名称:日本人の配偶者等)の審査では、夫婦が法律上の手続きを終えていることだけでは十分ではありません。
実際には「どのような関係性を積み重ねてきた夫婦なのか」「日本で安定して生活できるだけの基盤があるのか」、さらに「申請人に過去の素行上の問題がないか」といった複合的な観点から総合判断が行われます。
ここでは、その中でも特に審査の結果を左右する三つの主要ポイントについて、深く掘り下げて解説します。
≪1≫結婚の信憑性(偽装結婚の疑いがないか)
配偶者ビザで最も重視されるのは、夫婦の関係が形式的なものではなく「実体のある婚姻」であるかどうかです。
近年、偽装結婚によるビザ取得の防止が強化されているため、審査官は 交際開始から結婚に至るまでの自然な経緯 を細かく確認します。
特に慎重に見られる要素としては、たとえば以下のような点が挙げられます。
- 交際期間が極端に短い、または会った回数が著しく少ない
- 年齢差が大きい
- 夫婦が共通の言語で十分な意思疎通ができるか
- 出会いから結婚までの経緯に不自然な点がないか
- 国際結婚相談所を利用して出会った
- SNSやチャット履歴、写真などの実際の交流の痕跡が十分にあるか
これらはあくまで審査上の参考要素であり、「当てはまる=即不許可」ではありません。
しかし、該当する項目が多いほど、夫婦の真実性を裏付ける追加資料の提出を求められやすくなります。
特に、オンラインでの出会いが一般的になった現在では、マッチングアプリで出会った夫婦も珍しくありません。
この点のみを理由に不利になることはありませんが、交際記録を丁寧に整理し、出会いから結婚にいたる過程をしっかり説明できることが重要になります。
≪2≫日本で安定して生活できるか(生活の安定性・生計要件)
配偶者ビザは夫婦が日本で長期的に生活することを前提とした在留資格であるため、「経済的に無理がないか」は非常に重視されます。
生計要件は、夫婦の収入・職業・預貯金・就職の予定・親族の援助状況などを総合的に見て判断されます。
審査官が特に注目するのは 直前年度の課税証明書 や 所得証明書 です。
これらが夫婦の生活を支えられる水準にあるかどうかが判断材料となります。
ただし、「○万円以上なければ不許可」という明確な基準は法律上存在しませんが、おおむねの目安は年収約300万円以上が目安となります。
そのため、現時点で収入が低い方や就職活動中の方でも、以下のような追加資料で補完が可能なケースがあります。
- 預金残高の写し
- 日本での内定通知書
- 親族からの援助内容を示す書面や収入資料
- 海外での収入を証明する書類(給与明細・課税証明など)
最も重要なのは、「日本で安定的に生計を立てられる見込みが明確かどうか」 という点です。
生計面で不安がある夫婦ほど、根拠資料をどれだけ丁寧に整えられるかが許可/不許可を大きく分けるポイントとなります。
≪3≫過去の素行に問題がないか(素行要件)
多くの方が見落としがちですが、配偶者ビザでは 申請者の素行(日本での遵法意識) も厳しくチェックされます。
結婚の真実性や生活力に問題がなくても、素行の内容によっては不許可になる可能性があります。
審査で確認されるのは、具体的には以下のような点です。
- 過去の刑事処分(犯罪歴)の有無
- 不法就労・不法滞在(オーバーステイ)歴があるか
- 税金・社会保険料を滞納していないか
- 公的機関での手続きに虚偽申請がなかったか
特に犯罪歴やオーバーステイ歴については、「申告しなければバレないのでは?」と考える方もいますが、出入国在留管理局は法務省のデータベースを参照するため、必ず判明します。
大切なのは、過去に問題がある場合でも 事実を正確に記載し、反省の意志や再発防止の状況を誠実に伝えること です。
素行要件が審査に与える影響はケースにより大きく異なるため、該当する事情がある方は、申請前に専門家に相談することで不要な不許可リスクを避けられる可能性があります。
■ポイント
「結婚は本物か」
「夫婦が安定して生活できるか」
「過去の素行に問題がないか」
という3つの柱で配偶者ビザの審査は進められます。
このうち一つでも弱い部分があると、不許可になるリスクが高まります。
逆に、弱点を正しく把握し適切な資料で補強すれば、許可の可能性を十分に上げることができますので安心してください。
【2】配偶者ビザ申請の大枠の流れと全体像
申請は大きく3ステップです。
■申請には2種類あります。
| 申請の種類 | 状況 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 外国に住んでいる配偶者を日本に呼びたい |
| 在留資格変更許可申請 | 外国人配偶者がすでに日本に住んでいる |
■許可率が高いパターン例と低いパターン例
高い:交際期間1年以上・収入安定・年の差10歳以内・コミュニケーション可
低い:交際期間が短い・年の差20歳以上・SNSでの出会い・相手が無職など
審査官は夫婦を100%疑うわけではありません。しかし、
- 情報が不足している夫婦 → 疑いが強くなる
- 証拠がそろっている夫婦 → 疑いが払拭されやすい
という構造です。
また、審査期間に関してはおおよそ1~3ヶ月間が目安ですが、最近は長期化している傾向もあり東京管轄では5カ月間くらいは見ておいたほうがいいでしょう。そのため、スケジュール管理も重要になってきますので、注意してください。
【3】許可率を上げるための任意書類について
≪1≫基本書類について
基本書類については下記のコラムをご覧ください。
≪2≫許可率を上げるための「任意提出書類」について
入管のホームページにも記載のある基本的な必要書類だけを提出すれば「許可」がもらえる、というわけではありません。
必要書類を提出したのにいきなり不許可になってしまった、または、後日追加書類を求められるというケースも多くあります。
第1章で解説した、
「結婚の信憑性」「生活の安定性」「素行要件」の3つの要件について、少しでも不安がある場合は、下記のような書類を積極的に提出していきましょう。
「結婚の信憑性」に不安がある
出会ってから期間が短い、年齢差が大きいといった不安がある場合は下記の資料を積極的に提出していきましょう。
- より詳細な理由書(A4用紙1枚程度は足りず、出会ってから結婚に至るまでの経緯を全て記載)
→出会いのきっかけは何か
→どういうところに惹かれてお付き合いが始まったのか
→どれくらいの頻度で会っているのか(航空券や渡航履歴を提出)
→プロポーズはどんな状況だったか
→お互いの両親はどう思っているのか
→生活はどうしているのか
等、プライバシーというものはほとんどなく、全てを細かく記載していきます。
- 交際中の写真20~30枚ほど(時系列、日付、場所、写っている人の名前)
- メールやメッセージアプリのスクリーンショット(翻訳付き)
- ビデオ通話の記録
- 配偶者の生活を援助している場合は国際送金の履歴
- 家族への紹介が分かる資料(互いの両親と一緒に写っている写真やビデオ通話の記録)
これらは「結婚の真実性」を強烈に裏付ける証拠となりますので積極的に提出しましょう。
「収入要件」について不安がある
上記にも記載しましたが、法律的に〇万円以上ないと許可がでない、といった明確な規定はありませんが、これまでの統計上「年収250万円」以下だと不許可リスクは高まります。
ただ、年収が今は低くても「生活ができる余裕がある」「既に内定が決まっている」といった状況があれば下記のような資料で補強しましょう。
- 預貯金通帳のコピー
- 株式投資やFX投資をしている場合は、その評価額がわかる資料(証券口座のコピー)
- 親から援助してもらっている場合は、その証明資料(親族の課税証明書等)
- 内定証明書や雇用契約書
素行要件について不安がある
過去に資格外活動違反(オーバーワークやオーバーステイ等)をしてしまったという場合は、
- 反省文
- 嘆願書
といったような書面を追加して、反省の意を示しましょう。
これらの書類は必須ではありませんが、積極的に提出することで許可の可能性を大きく上げることができます。一回で許可を獲得していくためにも、しっかり準備をしていきましょう。
【4】審査官は具体的に何を見ているのか?
審査官のチェックポイントを実務ベースでお伝えします。
- 結婚成立の正確性(書類に矛盾はないか)
- 交際の自然性(経緯が無理なく説明できるか)
- 収入の安定性(最低でも年収250〜300万円がひとつのライン)
- 夫婦のコミュニケーション能力
- 年齢差・離婚歴・国籍などの“リスク要素”の有無
- 過去の在留状況(オーバーステイ・違反歴)
- 結婚の目的がビザ取得に偏っていないか
- 生活が維持できるか(住居・貯金・家賃負担)
上記の項目が全てではありませんが、審査官は、「夫婦が本当に一緒に生活できるか」を冷静に、論理的・総合的に判断していきます。
そのため、上記のチェック項目にひとつでも当てはまる場合は、そのまま申請を進めずにまずは専門家にご相談ください。
【5】不許可を避けるために最も重要な“3つの柱”と不許可になる典型例
≪1≫3つの柱について
①交際の証明不足
写真が数枚だけなど。
→ほぼ確実に追加資料を求められるケース、もしくはいきなり「不許可」となってしまいます。
②収入不足
国際結婚での生活は現実的に支出が多くなります。不安がある場合は、
- 親族からの援助
- 就職内定証明
などを添えて補強できますので資料を準備しましょう。
③申請書類の説明不足
入管は「情報が足りない」ことを嫌います。
≪よくある例≫
- 出会いの経緯が1行だけ
- 交際期間が短いのに説明が無い
- メッセージはあるが翻訳が無い
このような情報不足の状態で提出すると、追加資料の請求も来ないでいきなり不許可通知が来てしまう可能性がありますので注意しましょう。
配偶者ビザは、
「書類が揃っている」=「許可される」ではありません。
書類の“中身の説得力”こそが許可率を決めます。要件をクリアしていない場合は残念ながら「不許可」となってしまいますが、しっかりと準備を万全にすれば難しくなく、ちゃんと「許可」をもらえるビザですので安心してください。
【6】年の差婚・スピード婚・離婚歴ありは本当に不利なのか?
結論として、不利ですが対策ができれば問題なく許可はもらえます。
下記の項目は入管が偽装結婚を疑う典型例です。それぞれ、疑いを払しょくするためのポイントを記載しますのでご確認ください。
年の差が大きい場合(15歳以上)
≪ポイント≫
- どんな価値観が合ったのか
- なぜ惹かれ合ったのか
- 相手家族の理解
- 日常のコミュニケーション記録
- 生活費の分担計画
▼年の差が大きい場合の対策については下記のコラムをご覧ください
【年の差カップル必見】年齢差が大きいと配偶者ビザは不利?審査ポイントと理由書作成のポイントを徹底解説!
交際期間が短い場合(数ヶ月以内)
交際期間が短くても、自然な説明があれば許可されるケース多数あります。
≪ポイント≫
- 出会いの必然性(どこで出会ったのか)
- 結婚を決めた理由
- お互いの家族への紹介
- 候補だった日取りやプロポーズの状況説明
▼交際期間が短い場合の対策については下記のコラムをご覧ください
【国際結婚サポート】配偶者ビザ申請で「交際期間が短い」場合の立証方法とは?
離婚歴が多い場合
審査官は「今回の結婚は持続するか?」を確認します。
特に、前回の配偶者が日本人だった場合は単にビザ目的ではないか、と審査も厳しくなります。
≪ポイント≫
- 離婚理由を明確化(過去の配偶者の責任転嫁ではなく、客観的説明)
- 現在の相手との相性
- 過去と今回の違い
といった状況を丁寧に理由書に記載して提出するようにしましょう。
▼離婚歴がある場合の対策については下記のコラムをご覧ください
【永住者・日本人配偶者向け】再婚での配偶者ビザ申請の注意点と成功ポイントを行政書士が徹底解説!
【7】入管が最も重視する「理由書・説明書」の作り方
ここが私たち行政書士の腕の見せ所ですが、一般の方でも“方向性”を理解すれば強い資料を作れます。
~理由書の要素~
- 出会いの経緯
- 交際開始の経緯
- 交際中のエピソード
- 相手の人柄
- 結婚を決めた理由
- 日本での生活プラン
- 生計の維持方法
■重要ポイント
他の夫婦にはない“あなたたち夫婦の物語”を書くことが重要です。
どこかのテンプレから引用してきた内容で書くと「コピーだ」と判断されて不利になってしまいます。
■悪い例
「SNSで知り合い意気投合し結婚することにしました」
■良い例
- なぜそのSNSを使っていたのか
- どんなメッセージをきっかけに距離が縮まったのか
- 初めて会ったときの感情
- どの価値観が一致したのか
- 結婚を決めた具体的なエピソード
文章量は多ければ多いほど良いわけではありませんが、「自然でリアルな物語」は審査官の心に届きます。
【8】提出書類の整合性は「80%の夫婦が見落とすポイント」
配偶者ビザの不許可理由の多くは“矛盾”と“整合性不足” です。
■よくある矛盾
- メッセージでは“英語で会話”、申請書では“日本語でコミュニケーション”と記載
- 同居予定と書きながら、賃貸契約更新予定がない
- 収入は安定していると書きつつ、給与明細が極端に変動
- 初対面の場所と実際の国・日付が食い違う
- 写真に写っている時期と説明が一致しない
入管は、「嘘をついているのか?」や「説明が不足している」等 と判断して不許可にしてしまう可能性があります。
つまり、証拠と説明がピッタリ一致しているかといった整合性が最重要となりますので注意していきましょう。
【9】まとめ
この記事をここまで読んでいただくと、おおよその理解は深めていただけたかと思います。
しかし、実務では“書ける”と“通る”は全く別問題です。
- 理由書の書き方のわずかなクセ
- 翻訳のニュアンス
- 写真の選び方
- 提出順序
- 説明不足の補完
- 収入の弱点のカバー
これらが原因で不許可になってしまった、というご相談をよくいただきます。
配偶者ビザの再申請は、1回目の内容を入管が全て把握した状態で行うため、難易度が跳ね上がります。
「自分たちだけで進めて大丈夫だろうか…」
少しでも不安があるなら、早めにご相談ください。
夫婦のお二人が日本で安心して暮らせるよう、初回相談から許可取得まで、最短ルートをご提案します。
——確実に許可を取りたい方へ——
行政書士に依頼するメリットは、単に「代わりに書類を作ってくれる」ことではありません。
■専門家は“審査官の目線”で資料を作る
- どの書類を強調すべきか
- どの部分を補足すべきか
- どう説明すると誤解されないか
- どの証拠が“決定打”になるか
これは作成した経験が無いと難しい内容です。
■お客様の状況に合わせて“許可率を最大化”する
同じ国籍でも、
同じ年の差でも、
同じ交際期間でも、
審査の通りやすさは夫婦によって全く違います。
お客様の状況に合わせて、「最も通りやすい書き方・資料構成」を完全オーダーメイドで作ります。
■不許可リスクの早期発見
専門家が見ると、一般の方では気づけない「危険ポイント」が一瞬で分かります。
お客様が不安に思っている点も、
「実は全く問題ないケース」
「説明を補強すれば解決するケース」
が多いです。
逆に、
「このままだと高確率で不許可になる」
という場合は、事前に対策できます。
■ご夫婦の未来のために
配偶者ビザが許可されるかどうかは、“これからの夫婦生活そのもの”に直結します。
- 日本で一緒に暮らせるのか
- 就職できるのか
- 家族を持てるのか
- 永住申請につなげられるのか
そのすべての出発点が、この最初のビザです。
不安を抱えたまま申請するより、確実に許可に近づける方法を選んでください。
お客様のケースを詳しくお伺いし、最適なルートをご提案しますので当事務所と一緒に進めて「許可」を獲得していきましょう!
当事務所では現在のお客様の状況を確認して無料で許可か不許可判断させていただく事前診断を実施しております。是非一度ご確認してみてください!
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