国際結婚をして「日本で夫婦として一緒に暮らしたい」と考えたとき、必ず必要になるのが「配偶者ビザ(正式名称:日本人の配偶者等 在留資格)」です。
配偶者ビザがあれば最長5年間の在留が認められ、就労制限もなく日本で安心して生活できます。しかし、結婚すれば自動的に許可されるわけではなく、入管が求める条件に沿った数多くの書類を揃えて申請する必要があります。
申請を検討する方の多くは、最初に「必要書類一覧」を見て「これなら自分で揃えられそう」と感じます。ですが実際には、細かな不備や説明不足で不許可になるケースも少なくありません。
本記事では、配偶者ビザ申請に必要な書類を一覧で紹介しつつ、それぞれの入手先や注意点、さらに不備があった場合のリスクや対処法までわかりやすく解説しますので是非参考にしてみてください!
1.配偶者ビザ申請に必要な主な書類一覧
主な書類は下記入管のホームページに記載がありますので、確認してみてください。
≪▼入管ホームページ:各種必要書類について≫
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofjapanese01.html
まずは、それぞれの申請に必要となる主な書類を整理してみましょう。
≪配偶者が海外にいる場合≫(海外から日本に呼ぶ場合)
【日本人配偶者に関する書類】
- 配偶者(日本人)の戸籍謄本(婚姻事実の記載があるもの)
- 住民票(世帯全員が記載されているもの)
- 直近年度の収入証明(課税証明書、納税証明書、源泉徴収票 など)
- 在職証明書(勤務先に在籍していることの証明)
- 勤務先の会社案内(HPのコピー等)
- 配偶者(日本人)の身元保証書
【外国人配偶者に関する書類】
- 証明写真(4cm×3cm)直近3カ月以内に撮影したもの
- パスポートのコピー
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書+その翻訳文
- 履歴書
- 卒業証明書
- 日本語能力を証明する書類
【夫婦共通で準備する書類】
在留資格認定証明書交付申請書(←こちらからダウンロードできます:入管のホームページより引用)
- 質問書(夫婦の出会いや交際経緯を記載)
- 写真(夫婦の生活実態を示すスナップ写真:結婚式、旅行、友人との写真、双方の両親等の写真)最低5枚以上
- 賃貸借契約書や登記事項証明書等の住居に関する資料
- その他、生活状況を補足する資料(送金記録、通信履歴、メールやラインのやりとりなど)10枚以上
- 返信用封筒(宛先を明記の上簡易書留の送料392円分の切手を貼付)
≪日本にいる外国人と結婚した場合≫
【日本人配偶者に関する書類】
- 配偶者(日本人)の戸籍謄本(婚姻事実の記載があるもの)
- 住民票(世帯全員が記載されているもの)
- 直近年度の収入証明(課税証明書、納税証明書、源泉徴収票 など)
- 在職証明書(勤務先に在籍していることの証明)
- 勤務先の会社案内(HPのコピー等)
- 配偶者(日本人)の身元保証書
【外国人配偶者に関する書類】
- 証明写真(4cm×3cm)直近3カ月以内に撮影したもの
- パスポート(原本提示)
- 在留カード(原本提示)
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書+その翻訳文
- 直近年度の住民税の課税証明書・納税証明書(日本で働いている場合)
- 履歴書
- 卒業証明書
- 日本語能力を証明する書類
【夫婦共通で準備する書類】
• 在留資格変更許可申請書(←こちらからダウンロードできます:入管のホームページより引用)
• 質問書(夫婦の出会いや交際経緯を記載)
• 写真(夫婦の生活実態を示すスナップ写真:結婚式、旅行、友人との写真、双方の両親等の写真)最低5枚以上
• 賃貸借契約書や登記事項証明書等の住居に関する資料
• その他、生活状況を補足する資料(送金記録、通信履歴、メールやラインのやりとりなど)10枚以上
• 返信用封筒(宛先を明記の上簡易書留の送料392円分の切手を貼付)
一覧を見ると「なるほど、集めれば良いだけか」と感じるかもしれません。ところが、実際に集め始めると「どこで取得するのか?」「有効期限はあるのか?」といった疑問が次々に出てきます。ここからは各書類の入手先と注意点を解説していきます。
2.各書類の入手先と注意点
【戸籍謄本】
• 入手先:日本人配偶者の本籍地の市区町村役場
• 有効期限:概ね3か月以内のものを提出するのが安全
• 注意点:婚姻の事実が記載されている必要があります。海外婚姻の場合は「婚姻届出済証明書」とあわせて求められることもあります。
【住民票】
• 入手先:現住所地の市区町村役場
• 注意点:夫婦が同一住所に住んでいることが反映されているか要確認。同居していない場合は理由を説明する資料を添付しないと不許可のリスクがあります。
【課税証明書・納税証明書】
• 入手先:市区町村役場の税務課
• 注意点:最新年度分のものが必要。無収入や非課税の場合も必ず提出しなければなりません。「収入がない=不利」とは限らず、預金や援助証明で補足できるケースもあります。
【在職証明書】
• 入手先:勤務先の人事・総務課など
• 注意点:収入を裏付ける資料とあわせて提出することで信頼性が増します。転職直後の場合は在職期間が短いため、将来性を補足説明するのが望ましいです。
【本国の婚姻証明書】
• 入手先:外国人配偶者の母国の役所
• 注意点:日本語翻訳文を添付する必要があります。翻訳者の署名や押印を求められる場合もありますので、不備にならないよう慎重に準備しましょう。
【夫婦の写真】
• 注意点:結婚式や旅行などの記念写真だけでなく、日常生活を写した写真が有効です。過度に演出された写真ばかりでは、かえって疑念を持たれる可能性があります。
【賃貸借契約書・住居に関する資料】
• 入手先:大家・不動産会社から写しを入手
• 注意点:夫婦名義が望ましいですが、片方のみの名義でも説明があれば問題ありません。
※状況や結婚の経緯により追加資料の提出が必要になる場合もあります。
3.よくある書類不備と対処法
入管で不許可になってしまうケースの多くは「提出した書類の不備」によるものです。ここでは代表的な事例を挙げてみます。
【不備① 有効期限切れの書類】
→ 戸籍謄本や住民票は3か月以内が原則。古いものを提出すると「最新の状況が確認できない」と判断されます。
【不備② 経済力の裏付け不足】
→ 課税証明書に収入が少なく記載されていると「生活基盤が弱い」と見なされます。補足として預金通帳のコピーや仕送り証明を添付することで改善できます。
【不備③ 婚姻の真実性を示す資料不足】
→ 写真や連絡記録がほとんどない場合、「偽装結婚では?」と疑われやすくなります。小さな証拠でも数を重ねることで信頼性が高まります。
【不備④ 書類の記載ミスや抜け】
→ 申請書や質問書に空欄や矛盾があると、それだけで不審点として審査が厳しくなります。
こうした不備は「ちょっとした確認不足」から生じますが、一度不許可になってしまうと再申請時にはより厳しい目で審査されます。そのため、最初の申請でどれだけ精度を高められるかが非常に重要です。
まとめ:最初の一歩を安心して踏み出すために
ここまで「必要書類一覧」「入手先と注意点」「よくある不備」を解説してきました。
最初は「自分でも揃えられそう」と思えても、実際には翻訳や補足資料、書類の整合性確認など、細かな作業が多く「思った以上に難しいかもしれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
特に、入管が記載しているチェックリストと見比べてみると、上記の方がより多くの書類が必要と記載させていただいております。
つまり、入管のチェックリストは申請できる最低限の書類であり、入管のチェックリストの書類を揃えれば許可がもらえるわけではないのです。入管が提示する必須書類の他に、上記の任意の書類が許可・不許可を左右しますので注意が必要です。
配偶者ビザの申請は、ご夫婦の新しい生活の基盤を築く大切な手続きです。だからこそ、万一の不許可リスクを避けるためにも、専門家である行政書士に依頼するという選択肢は非常に有効です。
行政書士に依頼すれば、あなたの状況に合わせて必要な書類や補足資料を的確にアドバイスしてもらえるだけでなく、入管が重視するポイントを押さえた申請書を作成することができます。結果として、不許可リスクを大幅に下げ、スムーズな許可取得につながります。
大切なご夫婦の未来のために、最初の一歩から安心できる準備を整えてみませんか?
配偶者ビザ申請に関するご相談は、経験豊富な行政書士にぜひお気軽にお問い合わせください。
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