「昔スピード違反をしたことがある」

「つい無断駐車で反則金を払った」
そんな“ちょっとした違反”が、帰化申請にどこまで影響するか気になる方は多いでしょう。
実は、交通違反や軽犯罪があるからといって一律で不許可になるわけではありません。
ただし、申告漏れや記録の軽視が命取りになるのが帰化申請の怖いところです。

当事務所は帰化申請を専門としてお客様をサポートさせていただいておりますが、よく上記に該当するお客様から「過去に違反しちゃったことがあるけど、いつになったら帰化できますか?」というご相談を受けます。この記事では、行政書士として多数の帰化申請を支援してきた実務経験をもとに、

「どの程度の違反が問題になるのか」

「どんな書類・説明を用意すべきか」

そして、「申請前に必ずやっておくべきチェックポイント」を、すべて解説しますので是非参考にしてください。

① 帰化申請における「素行善良要件」とは?

帰化申請では、「素行が善良であること」が要件の一つです。
この要件は、刑事罰だけでなく日常的な法令遵守の姿勢まで審査対象に含まれます。

つまり、次のようなケースもチェックされます。

  • スピード違反・駐車違反などの交通違反
  • 軽犯罪法違反(例:万引き、軽い暴行、無免許運転など)
  • 税金や年金の未納
  • 社会保険料の滞納
  • 虚偽申告、偽装結婚など

「罰金を払ったから終わり」と思っていても、法務局は最低でも過去5年分の履歴を警察庁経由で確認します。
特に交通違反は、運転免許証の記録や納付履歴から簡単に照会可能です。そのため「素行要件」には日ごろから注意が必要です。

②軽微な交通違反はどこまで影響する?待期期間は?

一般的に影響が少ないケース

  • 一時停止違反・スピード違反(年1回程度)
  • 駐車違反・携帯電話使用などの反則金レベル

これらは反復継続していなければ、ほぼ問題になりません。

しかし重要なのは「誠実な申告」です。
法務局では「記録に残っているのに申告していない」ことを重く見ます。
つまり、「違反の事実」よりも「隠したこと」が不許可の理由になります。

影響が大きくなるケース

  • 無免許運転や酒気帯び運転
  • 赤切符による罰金
  • 同じ違反を短期間に繰り返している

酒気帯び運転等はもっともですが、軽微な違反を5年間で5回以上ある場合も、素行要件に引っかかってしまう可能性が高いです。
特に、免許停止や罰金に該当する違反をした場合は、罰金の支払いを終えてから最低でも3年以上(できれは5年以上)期間を空けて申請をしたほうが安全です。

これらは、一定期間(通常5年程度)を経過しても評価が下がる可能性もありますが、「反省の姿勢」「再発防止の取組み」をしっかり説明することで審査官の印象にもプラスに働くこともあります。

③軽犯罪歴・前科がある場合の考え方・待期期間

「罰金刑」や「執行猶予付き判決」がある場合でも、不許可になるとは限りません。
ですが、一定の期間を置く必要はあり、「罰金刑」の支払いを終えてすぐの申請や「執行猶予期間」を終えてすぐの申請は不許可になる可能性が高まります。

法務局は次のような視点で判断します。

【審査ポイント】

  • 違反の内容 →社会的に悪質かどうか(暴力・窃盗などは厳しく判断)
  • 時期→どれくらい前の出来事か
  • 反省・更生の状況→ 社会的信用(勤務実績・納税状況・家族生活など)
  • 再犯の可能性→ 同種行為を繰り返していないか

このようなポイントで審査官は判断しております。

罰金刑を受けた場合と執行猶予を受けた場合のそれぞれの待期期間(どれくらい期間を空けた方がいいか)は下記の期間が目安となっております。

【罰金刑を受けた場合の待期期間】
→たとえば、過去に暴行や恐喝等で罰金刑を受けた方でも、罰金の支払いを終えてから10年以上問題なく社会生活を送っていれば、帰化申請が許可されるケースもあります。

【執行猶予付き判決】を受けた場合の待機期間
確実に許可を取りたいなら、執行猶予期間が明けて10年経過してからの申請が理想です。
10年も待たずに早く申請したいという場合は、判決時から執行猶予期間の倍の期間を経過してからの申請なら許可される可能性はあります。

上記の年数についてはあくまでも目安であり、一人ひとりの個別具体的な事情によって異なります。

④申請前に必ずやっておきたい「3つの確認」

【1】交通違反・犯罪記録を正確に洗い出す

  • 運転記録証明書(自動車安全運転センターで取得)
  • 罰金・反則金の領収書や支払い記録
  • 警察での供述・処分経過がある場合はメモを作成

上記のような記録を基に、「過去5年以内にどのような違反があったか」を一覧化しておくと、申告漏れなく申請書作成がスムーズになります。

【2】申告漏れを防ぐための「自己申告メモ」

帰化申請書では、「交通違反の有無」を記載する欄があります。
ここで「なし」と書いたのに、警察照会で違反記録が出てくると、虚偽申請とみなされ不許可になる可能性があります。

「小さな違反もすべて書く」ことが最善の防衛策です。

【3】動機書・面談時の説明準備

「なぜ違反をしてしまったのか」「再発防止のために何を意識しているのか」
これを自分の言葉で整理しておくと、面談での印象が格段に良くなります。

たとえば:
「当時は時間に追われていたが、今は安全運転を徹底しています。」
「以降は無違反を継続しており、生活全体を見直しました。」

このような具体的な説明が、誠実さの証明になります。

⑤行政書士がサポートする3つのメリット

上記の説明から「自分でできそう」と思った方も多いかと思います。
しかし、実際に申請を進めてみると次の壁に直面します。

≪1≫どこまで申告すべきかの判断が難しい
 →「この違反は書くべき?書かない方がいい?」と迷うポイントが多い。

≪2≫書き方次第で印象が変わる
 → 動機書や説明文に一貫性がないと、「反省が足りない」と見なされることも。

≪3≫不許可後の再申請リスク
 → 一度不許可になると、再申請までに数年かかることもある。

当事務所のように帰化申請を専門としている行政書士に依頼すれば、

■違反内容の評価を法務局の基準に沿って分析
■記載内容を最適化して「誠実かつ信頼できる申請書」を作成
■面談想定問答の練習も可能

というように不許可リスクを最小限にする申請が可能になります。

まとめ:違反歴があっても帰化は可能。ただし「隠さない・誠実に伝える」ことが最重要

交通違反や軽犯罪歴がある方でも、帰化は十分可能です。
ただし、小さな嘘や申告漏れが致命傷になる点を忘れてはいけません。

1:違反内容を正確に把握し
2:誠実な申告と反省の姿勢を示し
3:必要に応じて専門家に確認する

この3点を意識すれば、帰化への道は開けます。

もしご自身のケースがグレーかどうか判断に迷う場合は、
当事務所の「無料相談」で現状をチェックしておくことをおすすめします。
一度の確認で、数年のロスを防げることもあります。

帰化申請は今後の人生に大きな変革をもたらす重大な決断です。

だからこそ、当事務所では、無料相談にてお客様一人一人のご状況を伺い、帰化の要件を満たしているか、どのような書類が必要か、どのように帰化申請を進めていけばいいかご確認をさせて頂きますので、まずはお気軽にご相談ください。

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