【1】家族滞在ビザとは?永住との関係を正しく理解する
家族滞在ビザは、就労ビザなどを持つ「本体者」に付随して認められる在留資格です。
あくまで「日本に在留する外国人の扶養を受けて生活すること」を前提とした在留資格であるため、独立した在留資格ではありません。
この点が、永住ビザとの関係を理解するうえで非常に重要です。
永住ビザは「日本で安定した生活基盤を築いている個人」に与えられる資格であり、原則として本人の居住実績・生計能力・素行 が審査対象となります。
そのため、
▶ 家族滞在ビザの方が「自分単独」で永住申請する
という方法は、実務上ほぼ認められていません。
ここを誤解したまま申請すると、準備に数か月かけても結果は「不許可」になる可能性が高いので注意が必要です。
▼家族滞在ビザについての詳細については、下記コラムをご覧ください。
【最新版】家族滞在ビザの完全ガイド|呼べる家族の範囲・取得要件・審査期間・働ける条件まで行政書士が徹底解説
【2】家族滞在ビザのまま永住申請できるのか?【原則と例外】
まず原則として、「家族滞在ビザの方が単独で永住申請を行っても、許可される可能性は極めて低い」というのが入管実務の現実です。
では、なぜ一部の家族滞在ビザの方は永住を取得できているのでしょうか。
ポイントは「家族との同時申請」にあります。
≪1≫家族と同時に永住申請するケース
家族滞在ビザの方が永住を目指す場合、最も現実的なのは本体者(就労ビザ等)と家族が同時に永住申請を行うケース です。
この場合、入管は次のような考え方で審査を行います。
本体者が永住許可された場合、
家族滞在の配偶者・子は「永住者の配偶者等」になる前提で審査される
つまり、
家族滞在の方を“家族滞在のまま”ではなく、“将来の身分系資格者”として評価する
という点が、単独申請との決定的な違いです。その結果、
- 10年以上の日本居住歴
- 5年以上の就労歴
といった通常の永住要件を満たしていなくても、
配偶者であれば
▶ 婚姻実態が3年以上
▶ かつ1年以上の日本在留
子であれば
▶ 1年以上の日本在留
があれば、家族と同時に永住申請が可能となります。
▼永住ビザの基本要件については下記コラムをご覧ください。
【完全版】永住ビザ申請の全て:要件・必要書類・審査ポイント・不許可回避まで総まとめを徹底解説
【3】家族滞在から永住を目指す3つの現実的ルート
家族滞在ビザの方が永住を目指すルートは、主に次の3つに整理できます。
①本体者と同時に永住申請するルート
最も王道で、成功率も高いルートです。
- 本体者が就労ビザで安定就労
- 年収・納税・年金に問題なし
- 家族としての生活実態が明確
これらが揃っていれば、家族全体で永住取得を目指せます。
②家族滞在→就労ビザ→永住申請ルート
配偶者が資格外活動や学歴を活かして就労ビザへ変更し、
その後、自身の実績で永住を目指す方法です。
ただしこの場合、
- 学歴と職務内容の一致
- 年収要件
- 転職歴の整理
など、審査ポイントが一気に増えます。
③家族滞在→身分系ビザ→永住申請ルート
日本人配偶者等や永住者の配偶者等へ変更後、永住を目指すケースです。
こちらは比較的永住に近いルートですが、婚姻実態の立証が極めて重要 になります。
▼配偶者ビザから永住ビザに変更する際の詳細については下記コラムをご覧ください。
【最新】配偶者ビザから永住ビザに変更する際の注意点を徹底解説!
【4】永住審査で必ず見られるポイント【家族滞在特有の注意点】
家族滞在が関係する永住申請では、以下の点が特に厳しく見られます。
- 本体者の収入・納税・年金状況
- 家族全体の生活実態(同居・扶養関係)
- 過去の在留違反・資格外活動の有無
- 書類の整合性(世帯単位での説明)
よくある失敗が、
「本体者は問題ないと思っていたが、配偶者に税金や年金の未納期間があった」
「配偶者側の活動内容の説明が不足していた」
といった “世帯単位の不備” です。
永住申請は個人申請に見えて、実は家族全体の申請であることを忘れてはいけません。
申請前には必ず、家族全員文を確認をしてから申請するようにしましょう。
【5】自分で申請できるケース/専門家に相談すべきケースの分かれ目
実際、家族滞在ビザから永住ビザへの変更はご自身で申請していただいても全く問題はありません。
ただし、家族滞在ビザが関係する永住申請では、“自分で進めてよいケース”と“専門家を入れるべきケース”がはっきり分かれます。
①自分で申請を検討しやすいケース
以下の条件がほぼ揃っている場合は、比較的リスクを抑えて自分で申請できる可能性があります。
- 本体者の年収・納税・年金がすべて問題なし
- 転職歴が少なく、職務内容も一貫している
- 家族構成がシンプル(配偶者+子のみ)
- 過去に資格外活動・在留違反が一切ない
- 同時申請の理由を自分の言葉で説明できる(※重要※)
このようなケースでは、永住ビザの基本要件を正しく理解したうえで慎重に進めることで、許可に至る可能性も十分あります。
②専門家に相談すべきケース
一方で、次のいずれかに当てはまる場合は、最初から専門家に相談した方が結果的に近道になるケースが非常に多いです。
- 家族滞在期間が長く、在留歴の整理が必要
- 本体者または配偶者に転職・年収変動がある
- 年金・税金に未納や免除期間がある
- 資格外活動の内容や時間が微妙なライン
- 同時申請か、別ルートにすべきか判断に迷う
- 過去にビザ申請で不許可歴がある
- 条件はクリアしていると思うけど、上手く書類が作れない など
永住申請は、「形式上の要件」よりも「総合的な信用評価」が重視される申請です。
一見問題なさそうに見えても、説明の仕方・順序・資料の出し方を誤るだけで、評価が大きく下がることがあります。
少しでも不安があれば、まずは専門家にご相談していただいて方が安全に申請を進めていただけるでしょう。
【まとめ】家族滞在ビザから永住ビザは「準備の質」で結果が決まる
家族滞在ビザから永住ビザへの申請は、単に「年数を満たしたかどうか」だけで判断されるものではありません。
- なぜ家族滞在なのか
- なぜ今、永住申請をするのか
- 本体者と家族の関係性・生活実態はどうか
こうした点を、入管に正しく・論理的に伝えられるかどうかが結果を左右します。
特に家族滞在が絡むケースでは、申請人本人だけでなく、世帯全体を一つの単位として見られるため、
「自分は問題ないと思っていた」
「まさか配偶者側が原因になるとは思わなかった」
という理由で不許可になるケースも少なくありません。
だからこそ、正しいルート選択と、最初の申請設計が何よりも重要となります。
永住申請は「一度の判断ミス」が数年単位の遠回りになります
永住ビザは、一度不許可になると、次回以降の審査が確実に厳しくなる在留資格です。
特に直近では法改正や運用方法等も細かく変更していることもあり、最新情報が重要となります。
「とりあえず自分で出してみよう」
「ダメだったら次に考えればいい」
そう考えて申請した結果、本来は許可されていたはずのケースが、数年単位で永住取得が遅れてしまうことも珍しくありません。
当事務所では、最新情報をもとに、
- 家族滞在が関係する永住申請
- 本体者との同時申請の可否判断
- 就労ビザ・身分系ビザへの切替を含めた戦略設計
- 不許可リスクの事前洗い出し
を専門的に行っています。
「今の状況で永住申請は可能か?」
「どのルートが一番安全か?」
申請前に一度確認するだけで、将来のリスクは大きく変わります。
永住申請で後悔しないためにも、まずはお気軽にご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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