【1】有期雇用でも外国人の就労ビザは取得できる?
外国人を採用する場合、「契約期間が決まっている有期雇用では就労ビザを取得できないのでは?」と考える企業もあります。
しかし、有期労働契約であることだけを理由に、就労ビザを取得できないわけではありません。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、外国人が日本の会社と雇用契約などの契約を結び、その契約に基づいて専門的な業務を行うことが基本となります。
そのため、契約期間が1年間などと定められていても、仕事内容や学歴・職歴、報酬、雇用する会社の状況など、在留資格の要件を満たしていれば、就労ビザを取得できる可能性があります。
ただし、「有期契約なら何でも就労ビザが取得できる」というわけではありません。
例えば、技術・人文知識・国際業務では、従事する業務が在留資格で認められる専門的な活動に該当していることなど、個別の要件を満たす必要があります。
したがって、外国人を有期契約で採用する場合には、契約期間だけでなく、実際に担当させる仕事内容が就労ビザの対象となるかを確認することが重要です。
【2】有期契約の外国人社員を契約更新するときの注意点
有期契約を締結した外国人社員について、契約期間が終了した後も雇用を継続する場合には、契約を更新することになります。
ここで注意したいのが、「契約を更新すること」と「就労ビザを更新すること」は別の問題であるという点です。
例えば、外国人社員との雇用契約を1年間更新したとしても、在留期間が同じように自動的に延長されるわけではありません。
在留期限が近づいている場合には、外国人本人が在留期間更新許可申請を行う必要があります。
また、就労ビザの更新では、現在の仕事内容や雇用条件などが確認されます。
そのため企業側としては、契約更新の際に、
- 現在の仕事内容に変更がないか
- 給与などの雇用条件に大きな変更がないか
- 今後も在留資格に該当する業務を担当させる予定か
などを確認しておくことが重要です。
特に、契約更新をきっかけに仕事内容を大きく変更する場合には注意が必要です。
「これまで取得していた就労ビザがあるから、更新後もどのような仕事でもできる」と考えるのは危険です。
業務内容が変更される場合には、その仕事が現在の在留資格で認められる活動なのかを確認しましょう。
【3】有期契約の外国人社員の更新を拒否することはできる?
では、勤務態度や能力などに問題がある外国人社員について、契約更新を拒否することはできるのでしょうか。
有期労働契約は、原則として契約期間が満了すれば終了します。
このように、契約期間満了時に会社が契約を更新しないことを「雇止め」といいます。
ただし、「有期契約だから、会社はいつでも自由に更新を拒否できる」というわけではありません。
外国人社員についても、日本人社員と同様に労働関係法令が適用されます。
特に、過去に契約を何度も更新している場合や、労働者が「次も契約を更新してもらえる」と期待することに合理的な理由がある場合には、労働契約法19条によって雇止めが制限されることがあります。
例えば、
- これまで何度も契約を更新している
- 長期間にわたって継続して勤務している
- 会社から継続雇用を期待させる説明をしている
- 契約更新を前提とした運用が続いている
といった事情がある場合には、慎重な判断が必要です。
このような場合、雇止めについて客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められなければ、更新拒否が認められない可能性があります。
\外国人社員の契約更新と就労ビザについてお困りではありませんか?/
外国人社員の契約更新では、単に「次も契約するかどうか」だけでなく、更新後の仕事内容が現在の就労ビザで認められるものかについても確認する必要があります。
また、契約更新をきっかけに仕事内容や雇用条件を変更する場合には、在留資格との関係で注意が必要になることがあります。
「この仕事内容で就労ビザを更新できる?」
「契約更新にあわせて業務内容を変更しても大丈夫?」
「外国人社員の契約更新について、在留資格上の問題がないか確認したい」
このような場合は、外国人雇用・就労ビザに詳しい行政書士へご相談ください。
ひらま行政書士事務所では、外国人社員の就労ビザの取得・更新をはじめ、企業の外国人雇用に関する在留資格の確認をサポートしています。
【4】外国人社員の契約更新を拒否する場合の注意点
外国人社員との契約更新を行わない場合には、雇止めに関するルールを確認しておく必要があります。
①30日前までに雇止めを予告する
一定の有期労働契約については、契約を更新しない場合、契約期間満了日の30日前までに雇止めを予告する必要があります。
具体的には、原則として、
- 有期労働契約を3回以上更新している場合
- 1年以下の契約を更新し、通算して1年を超えている場合
- 1年を超える期間の契約を締結している場合
などが対象になります。
ただし、契約の内容や更新の有無などによって取扱いが異なるため、個別に確認することが重要です。
また、雇止めを予告された労働者から、その理由について証明書を請求された場合には、会社は遅滞なく交付する必要があります。
そのため、契約更新を拒否する場合には、「なぜ更新しないのか」を客観的に説明できるようにしておくことが重要です。
例えば、勤務態度や勤務成績を理由とするのであれば、これまでの指導内容や改善状況などを記録しておくとよいでしょう。
②「外国人だから」を理由に更新を拒否しない
当然ですが、外国人であることや国籍を理由として契約更新を拒否することはできません。
「外国人だから契約期間を短くする」
「日本人なら更新するが、外国人だから更新しない」
といった取扱いは避ける必要があります。
契約更新の判断は、勤務成績や能力、業務上の必要性など、合理的な事情に基づいて行うことが重要です。
【5】契約更新を繰り返している場合は「無期転換ルール」にも注意
有期契約の外国人社員を長期間雇用している企業は、「無期転換ルール」にも注意が必要です。
無期転換ルールとは、同一の使用者との間で有期労働契約を更新し、通算契約期間が5年を超えた場合に、労働者の申込みによって無期労働契約へ転換できる制度です。
例えば、1年契約の外国人社員を何度も更新している場合、通算契約期間が5年を超えると無期転換申込権が発生する可能性があります。
労働者から無期転換の申込みがあった場合、会社はこれを拒否することができず、無期労働契約が成立することになります。
したがって、有期契約の外国人社員を長期間雇用している場合には、
「これまで何回契約を更新したか」だけでなく、「通算契約期間が何年になっているか」
も確認しておくことが大切です。
なお、無期転換ルールは外国人社員だけに適用される制度ではなく、日本人を含む一定の有期契約労働者が対象となります。
【まとめ】
外国人社員は、有期労働契約であっても、一定の要件を満たしていれば就労ビザを取得することができます。
ただし、有期契約の場合は、契約期間が終了するたびに更新するかどうかを判断する必要があります。
契約更新を行う場合には、現在の仕事内容や雇用条件が在留資格の範囲内にあるかを確認しておくことが大切です。
一方、契約更新を行わず雇止めとする場合には、外国人社員にも日本人社員と同様に労働関係法令が適用されます。
特に、契約を繰り返し更新している場合や、労働者が契約更新を期待することに合理的な理由がある場合には、雇止めが制限される可能性があるため注意が必要です。
また、長期間にわたって有期契約を更新している場合には、通算契約期間が5年を超えることで無期転換申込権が発生する「無期転換ルール」についても確認しておく必要があります。
このように、有期契約の外国人社員を雇用する際には、単に契約期間だけを見るのではなく、契約更新・雇止めに関するルールと、就労ビザの要件をそれぞれ確認することが重要です。
\外国人社員の採用・契約更新で就労ビザに不安がある企業様へ/
外国人社員を有期契約で雇用する場合、「契約期間を定めているから就労ビザには問題ない」と考えるのではなく、実際の仕事内容や雇用条件が在留資格の要件を満たしているかを確認することが重要です。
また、契約更新の際に仕事内容を変更したり、雇用条件を大きく変更したりする場合には、現在の在留資格でその業務を続けられるか確認が必要になることもあります。
ひらま行政書士事務所では、外国人社員の就労ビザについて、新規取得から在留期間の更新まで、企業側の手続き・確認をサポートしています。
「この仕事内容で就労ビザを取得できるのか」
「有期契約でも就労ビザを取得できるのか」
「契約更新にあわせて仕事内容を変更しても問題ないのか」
など、外国人雇用に関する疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
⇓
【\無料相談・無料事前診断実施中/】
▼こちらのブログをご覧になられた方は下記にブログもご覧になられてます。▼
【技人国ビザ】N2は必須?2026年4月15日から日本語要件が正式追加|対象範囲・証明方法・企業対応を解説
就労ビザ(技人国)雇用理由書の書き方完全ガイド|不許可・追加資料を防ぐ実務ポイント
就労ビザ申請の雇用契約書は何を書く?技人国審査で重要な記載項目の例と注意点、サンプルをご紹介
外国人雇用後に企業が行う手続きガイド|在留資格・届出・管理実務を解説