【1】留学生を総合職で採用する場合に必要なビザの種類は?
外国人留学生を卒業後に正社員として採用する場合、「留学」の在留資格のまま就職することはできません。
就職後に従事する仕事内容に応じて、就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
総合職として採用する場合、一般的に検討されるのが「技術・人文知識・国際業務」です。
技人国は、主に次の3つの分野から構成されています。
- 技術
- 人文知識
- 国際業務
総合職の場合、実際の仕事内容にもよりますが、営業、企画、マーケティング、経理、人事、総務など、大学等で修得した知識を活用する業務であれば、「人文知識」の分野に該当するケースがあります。
また、外国人本人が一定の要件を満たしている場合には、「高度専門職」など別の在留資格が選択肢となることもあります。
ただ、一般的な留学生の総合職採用では、まず技人国への変更が可能かどうかを検討することになります。
では、総合職として採用する場合、具体的にどのような仕事であれば技人国の対象となるのでしょうか。
【2】総合職で技人国を取得するには?仕事内容が重要
技人国への変更を検討する際には、外国人が実際に担当する業務の内容を具体的に確認することが重要です。
例えば、「人文知識」に該当する業務としては、次のようなものが挙げられます。
- 営業
- 商品企画・マーケティング
- 経理・財務
- 人事・総務
- 貿易関連業務
- 海外取引に関する業務
- 通訳・翻訳
- その他、専門的な知識を必要とする業務
このような業務は、法律学、経済学、社会学などの人文科学分野に関する知識や、その他の専門的な知識を活用して行うことが想定されています。
一方で、総合職として採用していても、実際には店舗での接客・販売、飲食店のホール業務、工場での単純作業などが中心となる場合には注意が必要です。
また、総合職の場合、入社後の研修やキャリア形成の一環として、一定期間だけ店舗や現場での業務を経験させる企業もあります。
このようなケースでは、現場業務が含まれていることだけを理由に、直ちに技人国が認められなくなるわけではありません。
重要なのは、雇用期間全体を通じて、どのような業務に従事する予定なのかという点です。
例えば、入社後の研修として一定期間だけ店舗業務を経験し、その後は営業、企画、管理業務など専門的な業務を担当することが明確になっているのであれば、その仕事内容やキャリアプランを具体的に説明することが重要になります。
反対に、専門的な業務は一部に限られ、実際には接客や販売などが長期間にわたって業務の中心となる場合には、技人国との適合性について慎重な検討が必要です。
研修として現場業務を予定している場合には、配属後の業務だけでなく、研修期間、研修内容、その後の配属先や担当業務などを整理しておくとよいでしょう。
【3】留学生を総合職で採用するために確認したい3つの条件
仕事内容が技人国の対象となる場合でも、それだけで在留資格の変更が認められるわけではありません。
留学生本人や受入れ企業についても、次の点を確認する必要があります。
①学歴・専攻と仕事内容との関係
技人国では、外国人本人が大学や専門学校などで修得した知識と、就職後に担当する業務との関係が重要になります。
例えば、経済学を専攻した留学生が、卒業後に営業、マーケティング、経理などの業務を担当する場合、専攻で学んだ知識と仕事との関連性を説明しやすいケースがあります。
一方で、大学等で学んだ内容と就職後の仕事内容との関係がほとんど説明できない場合には、慎重な検討が必要です。
特に専門学校を卒業した留学生については、修了した専門課程の内容と、実際に担当する業務との関連性が重要になります。
そのため、専門学校卒の留学生を幅広い業務を担当する総合職として採用する場合には、大学卒の場合以上に、専攻・専門課程と仕事内容との関係を事前に確認しておくことをおすすめします。
②日本人と同等以上の報酬
外国人であることを理由として、日本人より不当に低い報酬を設定することは認められません。
同様の業務を担当する日本人社員がいる場合には、その社員の給与水準なども踏まえ、適切な雇用条件を設定する必要があります。
採用時には、雇用契約書や労働条件通知書などについても、在留資格の申請内容と矛盾がないか確認しておきましょう。
③受入れ企業の状況も確認される
技人国の審査では、外国人本人だけでなく、受入れ企業についても確認されます。
会社の事業内容や事業規模、業務量、経営状況などを踏まえ、外国人を雇用する必要性や業務の実態などが確認されます。
そのため、「大学を卒業しているから技人国を取得できる」という単純なものではありません。
外国人本人の経歴と、企業が予定している仕事内容・雇用条件をセットで確認することが大切です。
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留学生を総合職として採用する場合は、仕事内容だけでなく、外国人本人の学歴・専攻や雇用条件、受入れ企業の状況なども確認する必要があります。
特に、
- 大学・専門学校で学んだ内容と仕事内容との関連性が分からない
- 専門学校卒の留学生を総合職として採用したい
- 入社後に研修や現場業務を予定している
- この条件で技人国への変更が可能か判断できない
といったケースでは、採用を決定する前に確認しておくことをおすすめします。
ひらま行政書士事務所では、外国人留学生の学歴・専攻、採用予定の仕事内容、雇用条件などを確認したうえで、技人国への変更の可能性を検討しています。
「採用してからビザが取れないことが分かった」という事態を避けるためにも、少しでも不安がある場合は、採用前の段階でお気軽にご相談ください。
【4】留学生を総合職で採用するときの注意点
最後に、企業が留学生の採用を進める際に注意したいポイントを確認しましょう。
①内定を出す前に在留資格を確認する
留学生の採用では、内定を出してから在留資格の問題に気付くと、企業側にも外国人本人にも大きな負担が生じる可能性があります。
そのため、採用予定の仕事内容と外国人本人の学歴・専攻を確認し、技人国への変更が可能かどうかを早い段階で検討しておくことが重要です。
特に、専門学校卒の留学生や、入社後に現場研修を予定しているケースでは、仕事内容を具体的に整理しておきましょう。
②留学中のアルバイトと正社員としての仕事を混同しない
留学生は、資格外活動許可を取得することで、一定の範囲内でアルバイトをすることができます。
しかし、在学中に認められていたアルバイトと、卒業後に技人国で行うことができる業務は別に考える必要があります。
例えば、在学中に飲食店で接客のアルバイトをしていたとしても、その経験だけを理由に、卒業後も店舗での接客・販売を中心とした仕事に技人国で従事できるとは限りません。
採用時には、「現在行っているアルバイト」ではなく、「卒業後にどのような仕事を担当するのか」を基準に在留資格を検討することが重要です。
③申請時の仕事内容と実際の業務を一致させる
技人国の申請では、外国人が担当する仕事内容について具体的に説明する必要があります。
例えば、申請上は営業職として説明しているにもかかわらず、実際には店舗での接客・販売が中心となっているなど、申請内容と実際の業務が大きく異なることは避けなければなりません。
採用担当者だけでなく、配属先の責任者にも外国人社員の担当業務を共有し、申請時に説明した仕事内容と実際の業務に相違が生じないようにしておきましょう。
【まとめ】留学生を総合職で採用するなら、採用前の確認が重要
外国人留学生を卒業後に総合職として採用する場合、一般的に検討される在留資格が「技術・人文知識・国際業務(技人国)」です。
技人国への変更が認められるかどうかは、外国人本人の学歴・専攻、採用後の仕事内容、雇用条件、受入れ企業の状況などを踏まえて判断されます。
そのため、留学生の採用を検討している企業は、採用を決定する前に、予定している仕事内容と外国人本人の経歴が技人国の要件に適合するかを確認しておくことが重要です。
「この留学生を、この仕事内容で採用して問題ないのか」と少しでも不安がある場合は、採用を進める前に在留資格の可能性を確認しておきましょう。
\留学生の総合職採用でお悩みなら、採用前にご相談ください/
「採用したい留学生がいるが、予定している仕事内容で技人国を取得できるか分からない」
「大学・専門学校で学んだ内容と、採用後の仕事との関係が判断できない」
「総合職として採用する予定だが、研修や配属を含めて問題がないか確認したい」
このような場合は、内定・採用を決定する前にご相談いただくことをおすすめします。
ひらま行政書士事務所では、外国人留学生の「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更について、外国人本人の学歴・専攻だけでなく、採用後の仕事内容や雇用条件なども確認したうえで、申請の可能性を検討しています。
就労ビザは、採用後に問題が発覚すると、企業側も外国人本人も対応に困ってしまうことがあります。
「この留学生を、この仕事内容で採用して大丈夫なのか?」
少しでも不安がある場合は、採用を進める前にお気軽にご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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