「外国人社員から『離婚しました』と報告を受けた。」
「今までどおり働いてもらって問題ないのだろうか。」
「会社として何か手続きや対応は必要なのだろうか。」

外国人社員を雇用している企業の担当者から、このようなご相談をいただくことがあります。
日本人の配偶者等(いわゆる配偶者ビザ)は、就労制限がない在留資格であるため、職種や業務内容に関係なく働くことができます。
しかし、この在留資格は日本人との婚姻関係を前提としているため、離婚すると在留資格に影響が生じる可能性があります。

もっとも、離婚したからといって直ちに働けなくなるわけではありません。
企業としても、外国人本人としても、正しい知識を持って適切に対応することが大切です。

本記事では、日本人の配偶者である外国人社員が離婚した場合の在留資格への影響や、企業が確認すべきポイント、外国人本人が取るべき対応について行政書士が分かりやすく解説しますので是非最後までご覧ください。

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【1】日本人の配偶者等(配偶者ビザ)とは?

「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者などに認められる身分に基づく在留資格です。
一般的な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)とは異なり、職種や仕事内容に制限がありません。
そのため、事務職や営業職はもちろん、販売職や飲食店スタッフなど幅広い職種で働くことができます。

また、転職の際に入管の許可を取得する必要もなく、就労ビザのように仕事内容が在留資格に適合しているかを都度判断されることもありません。
このように自由度の高い在留資格ですが、日本人との婚姻関係が前提となっている点が大きな特徴です。

【2】離婚したらすぐに働けなくなる?

結論から申し上げると、離婚したからといって直ちに働けなくなるわけではありません。
離婚をした時点で在留カードが直ちに無効になったり、その日から就労できなくなったりすることはありません。
そのため、離婚後すぐに現在の会社を退職しなければならないわけではありません。

しかし、「日本人の配偶者等」の在留資格は、日本人との婚姻関係を前提とした在留資格です。
そのため、離婚によって在留資格の前提は失われ、将来的には現在の在留資格のまま日本で在留し続けることはできません。

したがって、離婚後も引き続き日本で生活し、現在の会社で働き続けたい場合は、「定住者」や「技術・人文知識・国際業務」など、状況に応じた在留資格への変更を検討することが重要です。

また、離婚後も正当な理由なく長期間「日本人の配偶者等」としての活動を行っていない場合には、在留資格取消制度の対象となる可能性があります。
そのため、「今は在留カードの有効期限が残っているから大丈夫」と考えて手続きを後回しにするのではなく、離婚後はできるだけ早く今後の在留資格について検討し、必要に応じて在留資格変更の手続きを進めることをおすすめします。

【3】外国人本人が行うべき手続き

①離婚後14日以内に届出を行う

外国人本人は、日本人との離婚後14日以内に、出入国在留管理庁へ配偶者に関する届出を行う必要があります。
この届出は法律で定められた義務であり、忘れずに行うようにしましょう。

②今後の在留資格を検討する

離婚後も日本で生活し、現在の会社で働き続けたい場合は、今後の在留資格について検討しなければなりません。
状況によっては、

  • 定住者
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 経営・管理
  • 配偶者ビザ

など、別の在留資格へ変更できる可能性があります。
どの在留資格が適切かは、婚姻期間、日本での生活状況、職務内容、学歴や職歴などによって異なります。
ご自身がどの在留資格に変更できるかご不明な場合は迷わず専門家にご相談ください。

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離婚後も日本で生活し、現在の会社で働き続けたい場合は、できるだけ早く今後の在留資格について検討することが重要です。
しかし、実際には、

  • 自分は就労ビザへ変更できるの?
  • 「定住者」と「技術・人文知識・国際業務」のどちらを目指すべき?
  • 今の仕事内容で就労ビザは取得できる?
  • 会社にはどのような協力をお願いすればいい?

など、ご自身だけでは判断が難しいケースも少なくありません。
ひらま行政書士事務所では、外国人雇用・就労ビザを専門に、配偶者ビザから就労ビザへの変更手続きや、企業担当者からのご相談にも対応しております。

「まずは変更できる可能性を知りたい」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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【4】離婚後も今の会社で働き続ける方法

①定住者へ変更できるケース

婚姻期間が長く、日本での生活実態があり、日本への定着性が認められる場合には、「定住者」へ変更できる可能性があります。
例えば、

  • 婚姻期間が比較的長いこと
  • 安定した収入があり、独立した生計を営んでいること
  • 日本人との間に子どもがおり、親権や監護権を有していること

などは、審査において考慮される事情の一つです。
もっとも、これらを満たせば必ず許可されるわけではなく、個々の事情を総合的に判断して審査されます。

②就労ビザへ変更するケース

定住者への変更が難しい場合は、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへの変更を検討します。
もっとも、就労ビザには一定の要件があります。
例えば、

  • 学歴や実務経験を満たしていること
  • 業務内容が就労ビザに適合していること
  • 適切な給与水準であること

などが求められます。

現在の仕事内容が単純労働中心である場合や、学歴・実務経験の要件を満たさない場合には、一般的な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)への変更が難しいケースもあります。
そのため、離婚が決まった段階で早めに専門家へ相談することをおすすめします。

【5】企業担当者が確認すべきポイント

外国人社員から離婚した旨の報告を受けた場合、企業としても状況を確認しておくことが大切です。
特に確認したいポイントは次のとおりです。

  • 在留カードの有効期限
  • 今後の在留資格変更を予定しているか
  • 更新時期が近づいていないか
  • 必要に応じて行政書士などの専門家へ相談しているか

企業が在留資格変更を代理で行う義務はありませんが、外国人社員が適法な在留資格で勤務を継続できるようサポートすることは、不法就労のリスクを防ぐ観点からも重要です。
また、在留カードの有効期限だけを見て「まだ期限があるから大丈夫」と判断するのは避けましょう。
離婚後は更新が認められない場合や、別の在留資格への変更が必要になるケースもあるため、早めに状況を確認することが望ましいといえます。

また、配偶者ビザから就労ビザへ変更した場合は、これまでのように職種の制限なく働けるとは限りません。就労ビザの種類によって従事できる業務が異なるため、企業側も変更後の在留資格で現在の業務に従事できるかを確認することが重要です。

【6】よくある質問

離婚したら会社を辞めなければなりませんか?

いいえ。離婚したからといって直ちに退職する必要はありません。
ただし、今後も日本で働き続けるためには、状況に応じて定住者や就労ビザへの変更を検討する必要があります。

会社は離婚したことを知ったら何か手続きが必要ですか?

会社が入管へ外国人社員が離婚したことについての届出を行う必要はありません。
ただし、外国人社員が今後どの在留資格で勤務を継続する予定なのかを確認し、必要に応じて専門家への相談を勧めることをおすすめします。

離婚したことを会社へ伝える義務はありますか?

法律上、外国人本人に会社へ報告する義務はありません。
もっとも、在留資格変更が必要になる可能性があるため、勤務を継続する予定であれば早めに会社へ相談した方が、その後の手続きを円滑に進めやすくなります。
特に就労ビザに変更する際は会社の資料が必須になるので、会社の協力はかかせませんので隠さずに相談することをおすすめします。

【7】まとめ

日本人の配偶者等(配偶者ビザ)を持つ外国人社員が離婚した場合でも、離婚したことだけを理由に直ちに働けなくなるわけではありません。
しかし、離婚によって在留資格の前提となる婚姻関係が終了するため、そのまま配偶者ビザを更新できるとは限りません。
今後も日本で生活し、現在の会社で働き続けるためには、状況に応じて「定住者」や「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更を検討する必要があります。

また、外国人本人は離婚後14日以内の届出など必要な手続きを忘れずに行い、企業側も「在留カードの有効期限が残っているから大丈夫」と判断するのではなく、今後の在留資格について本人と確認することが重要です。

特に、就労ビザへ変更できるかどうかは、学歴や職歴、現在の仕事内容などによって判断が異なります。
離婚後も安心して日本で働き続けるためにも、不安な点があれば早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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ひらま行政書士事務所では、外国人雇用を専門に、配偶者ビザから就労ビザへの変更申請をはじめ、就労ビザの取得・更新・変更手続きをサポートしております。

「離婚後も今の会社で働き続けたい」
「就労ビザへ変更できる可能性があるか知りたい」
「外国人社員から離婚したと報告を受けたが、会社としてどのように対応すればよいか分からない」

このようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

初回相談では、ご本人の経歴や現在の仕事内容、企業の状況などを丁寧にお伺いしたうえで、在留資格変更の可能性や今後取るべき対応について分かりやすくご説明いたします。
外国人本人・企業の双方が安心して働き続けられるよう、就労ビザを専門とする行政書士がサポートいたします。

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