近年、日本では深刻な人手不足を背景に、外国人採用を行う企業が急増しています。
特に、

  • 飲食業
  • 小売業
  • 宿泊業
  • 製造業
  • IT業界
  • 建設関連業

などでは、外国人材の活用がもはや不可欠な時代になっています。

その一方で、出入国在留管理庁による不法就労対策は年々強化されています。
2026年には、SNS上の不法就労あっせん等を監視するサイバーパトロール導入方針も発表されるなど、入管庁は不法就労や不法就労助長罪の摘発に向け、これまで以上に積極的に動き始めています。
現在の入管行政は、

「外国人受け入れは拡大する一方で、違反企業への取り締まりは強化する」

という方向へ大きく舵を切っています。
その象徴とも言えるのが、「不法就労助長罪」の厳罰化です。(後述)
実務上は、これまで執行猶予となっていたケースでも、今後は実刑リスクが現実的に高まる可能性があります。
さらに企業側にとって注意すべきなのは、

「知らなかった」
「本人が問題ないと言っていた」
「派遣会社に任せていた」

といった言い訳が、ほとんど通用しないという点です。
本記事では、

  • 不法就労とは何か
  • 不法就労助長罪とは何か
  • 企業が注意すべき典型的な違反事例
  • 採用時・採用後に必要な管理体制
  • 2027年施行予定の厳罰化のポイント

について、実務ベースで詳しく解説します。

「うちは大丈夫」と思っている企業ほど、実は見落としが潜んでいるケースも少なくありません。
大切な外国人材や会社を守るためにも、最後までご覧いただき、ぜひ参考にしてください。

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【1】不法就労とは?まず企業が理解すべき3つの類型

「不法就労」という言葉を聞くと、

  • オーバーステイ
  • 密入国
  • 不法残留外国人

を雇用することをイメージされる企業様が非常に多いです。
もちろん、それらも典型的な不法就労ですが、実務上は、もっと複雑です。
現在、入管実務で特に問題化しているのは、

“在留資格自体は持っているが、認められた範囲を超えて働いているケース”

です。
つまり、在留カードを持っているから安心というわけではありません。
不法就労は、以下のように大きく3つの類型に分かれます。

①在留資格のない外国人の就労

まず最も分かりやすいのが、在留資格そのものを持たない外国人が働くケースです。
例えば、

  • オーバーステイ(不法残留)
  • 密入国者
  • 退去強制対象者
  • 更新不許可後も在留している外国人

などです。
当然ですが、これらの外国人は日本で適法に働くことはできません。
しかし実際には、生活のために何らかの形で就労しているケースがあります。
特に、

  • 建設業
  • 解体業
  • 工場系業務
  • 深夜営業店舗

などでは、過去にも摘発事例が発生しています。
企業側としては、

「紹介された人材だから問題ないと思った」

というケースもありますが、在留資格確認を怠れば企業責任を問われる可能性があります。

②就労が認められていない在留資格で働くケース

次に、在留資格はあるものの、原則として就労が認められていない外国人が働くケースです。
代表例は次のとおりです。

  • 短期滞在
  • 留学
  • 家族滞在
  • 文化活動
  • 研修

このうち特に注意が必要なのが、

「短期滞在」

です。
短期滞在は、観光・親族訪問・短期商用等を目的とする在留資格であり、原則として就労は一切認められていません。
企業側が、

「数日だけだから」
「手伝い程度だから」

と軽く考えていても、報酬が発生すれば不法就労に該当する可能性があります。
また、留学生や家族滞在についても注意が必要です。
これらの在留資格は、原則として就労不可です。
ただし、「資格外活動許可」を取得している場合のみ、週28時間以内のアルバイト等が認められています。
つまり、資格外活動許可がない状態で働かせれば、それだけで不法就労となりますので企業側は必ず確認しましょう。

③認められた範囲を超える就労

現在、実務上もっとも多いのがこのケースです。
在留資格そのものは適法でも、認められた活動範囲を超えて就労してしまうケースです。
代表例としては、

  • 留学生の週28時間超過
  • 技人国ビザでの単純労働
  • 特定技能の分野外業務
  • 技能実習の職種違反

などがあります。
※具体的な最近の実務上の違反パターンは【第3章】で解説します。

【2】不法就労助長罪とは?企業側も処罰される時代へ

①不法就労助長罪の概要

不法就労助長罪とは、簡単に言えば、「不法就労となる外国人を働かせたり、あっせんした企業側の責任」です。(入管法73条の2)
特に重要なのは、外国人本人だけではなく、企業側も処罰対象になるという点です。
さらに2027年4月施行予定の改正では、法定刑が大幅に引き上げられます。

改正前:3年以下の懲役または300万円以下の罰金
改正後:5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金

この改正は非常に重い意味を持ちます。
なぜなら、法定刑が重くなることで、今後は執行猶予が付かないケースが増える可能性があるからです。
つまり、企業経営に対するダメージがこれまで以上に大きくなります。

②知らなかった」は通用しない

不法就労助長罪で、企業側が最も誤解しやすいのがこの点です。
実際の相談では、

「本人が大丈夫と言っていた」
「在留カードは見た」
「紹介会社に任せていた」

というケースは非常に多いです。
しかし、外国人を雇用する企業には、適法就労かどうかを確認する義務があります。
つまり、

  • 在留資格確認
  • 就労範囲確認
  • 在留期限確認
  • 業務内容確認

を怠れば、「確認不足」と判断される可能性があります。
特に現在は、

“在留カードをコピーして終わり”

という管理では危険です。
企業側が、「どこまで確認していたのか」を具体的に説明できることが重要になっています。

③処罰対象は社長だけではなく個人にも及ぶ

ここも非常に重要です。
不法就労助長罪は、会社代表者だけが責任を負うわけではありません。
例えば、

  • 人事担当者
  • 採用担当者
  • 店長
  • 工場長
  • 現場責任者

など、実際に雇用・指揮命令に関与していた人物も処罰対象になる可能性があります。
さらに、両罰規定によって、担当者個人だけでなく法人自体にも罰金刑が科されるリスクがあります。
つまり、現場担当者1人の判断ミスが、会社全体の問題になるため会社にとっては非常に大きなリスクとなります。

【3】留学生・技人国ビザで特に増えている違反パターン

①留学生アルバイトのオーバーワーク

近年、非常に多いのが留学生のオーバーワークです。
留学生は、資格外活動許可を受けていれば、原則週28時間以内でアルバイトが可能です。
しかし、実際には、

  • 飲食店
  • コンビニ
  • 倉庫業務
  • 深夜シフト

などを複数掛け持ちし、時間超過しているケースが少なくありません。
ここで企業側が勘違いしやすいのが、

「うちでは28時間以内だから問題ない」

という考え方です。
しかし、週28時間は“全勤務先合算”です。
つまり、他社アルバイト分も含めて超過していれば、不法就労となる可能性があります。
現在は、給与資料・勤怠資料・シフト表などを細かく確認されるケースも増えています。
そのため、本人申告だけに頼る運用は危険です。

②技人国ビザの単純労働問題

現在、入管実務で特に厳しく見られているのがこの問題です。
技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国)は、専門性を前提とした在留資格です。
そのため、単純労働を主たる業務とすることは想定されていません。
しかし実際には、

  • 管理業務採用なのに飲食店でのホール中心業務
  • エンジニア採用なのに工場ライン作業
  • 倉庫内作業
  • 清掃業務中心
  • 通訳採用なのに品出し・レジ中心

など、実態として単純労働化しているケースがあります。
特に危険なのは、採用時は問題なくても、運用途中で徐々に現場作業比率が増えるケースです。
例えば、

「最初は通訳対応がメインだったが、人手不足でホール中心になった」

というケースは非常に多いです。
企業側に悪意がなくても、結果として在留資格との不整合が発生するリスクがあります。
現在の入管は、

“雇用契約書の記載”より“勤務実態”

を重視する傾向が強くなっています。
企業側としては、

「少しくらい現場作業があっても問題ないだろう」

という認識でも、勤務実態として単純労働比率が高い場合、更新時や調査時に問題化するケースがあります。
特に、今までグレーゾーンだった飲食店の店長や製造業の現場管理者など(いわゆる、なんちゃって管理職)については、技人国ビザ更新はほぼ認められなくなってきております。

「他の会社でもどうせやってるでしょ、だからうちも。」という考え方は後々大きなダメージを負うことになりますので注意してください。

\「うちの運用は本当に大丈夫?」と少しでも感じた企業様へ/

ここまでお読みいただき、

留学生アルバイトの管理方法が曖昧かもしれない
技人国ビザの業務内容が少し不安
現場判断で運用してしまっている
在留カード確認だけで終わっている

と感じた企業様も多いのではないでしょうか。
実際、現在の入管実務では、

“採用時は問題なかったが、運用途中で不適正状態になっていた”

というケースが非常に増えています。
特に近年は、

更新時の業務内容説明
シフト・勤怠資料確認
業務割合の確認
実態ヒアリング

など、“実際に何をしているか”がかなり細かく確認される傾向があります。
当事務所では、

技人国ビザの業務適法性チェック
留学生アルバイト運用診断
外国人雇用体制のリスク確認
更新不許可リスクの事前分析

など、企業様向けの外国人雇用コンプライアンス支援も行っております。

「まだ摘発されていないから大丈夫」ではなく、“問題化する前”の見直しが非常に重要です。

万が一摘発されてしまったら、取返しはつきません。
少しでも不安がある場合は、下記フォームより事前診断希望と一言ご連絡ください。

墨田区・錦糸町エリア以外の企業様でもご対応可能です。
外国人採用をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

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【4】採用時に企業が絶対確認すべきポイント

①在留カードは必ず現物確認しましょう

まず最重要なのがここです。
在留カード確認は、コピーや画像だけでは不十分です。必ず現物を確認してください。

確認すべきポイントは、

  • 在留資格
  • 在留期間
  • 就労制限の有無
  • カード番号

などです。
さらに、「就労不可」や「指定書により指定された活動のみ可」と記載されている場合は、裏面や指定書確認も必要になります。

②偽造在留カード対策を行う

近年、偽造在留カード問題も増えています。
そのため、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリ」を利用した真偽確認は非常に重要です。
もし偽造カードを見抜けなかった場合でも、

「必要な確認をしていなかった」

と判断される可能性があります。
つまり、確認体制自体が問われる時代になっています。

③本人確認を徹底する

意外と見落とされがちなのが、本人確認です。
在留カードの写真と、面接に来ている本人が一致しているかを確認してください。

過去には、面接に来た外国人の本人確認を怠ったと企業側の過失として認定された判例もあります。
現在は、企業側の確認義務がかなり広く捉えられる傾向があります。

【5】採用後に必要な継続管理とは?

①在留期限管理を“仕組み化”する

採用時に確認して終わりではありません。
むしろ危険なのは、採用後管理です。
例えば、

  • 更新不許可後も勤務継続
  • 更新申請忘れ
  • 在留期限超過

などは、実務上実際に起きています。
そのため、

  • 在留期限一覧表
  • アラート設定
  • 更新状況確認

などを社内オペレーション化する必要があります。
特に外国人従業員数が増えるほど、“本人任せ”では管理できなくなります。

②業務内容変更時は必ずチェック

企業側が見落としやすいのがここです。
例えば、

  • 店舗異動
  • 部署変更
  • 業務拡張
  • 人手不足対応

などによって、当初想定していなかった業務を担当するケースがあります。
しかし、在留資格との整合性確認をせず運用すると危険です。
特に技人国ビザでは、業務割合や実態が極めて重要になります。
「少し手伝ってもらうだけ」の積み重ねが、更新不許可や不法就労認定につながるケースもあります。

③留学生の掛け持ち確認も必要

留学生アルバイトでは、他社勤務確認が非常に重要です。
そのため、

  • 他社アルバイト申告
  • シフト提出
  • 誓約書取得
  • 定期確認

などを行う企業も増えています。
現在は、企業側にも一定の管理責任が求められる時代になっています。

まとめ|2027年改正前に外国人雇用体制を見直すべき理由

2027年施行予定の改正入管法によって、不法就労助長罪は大幅に厳罰化されます。
そして現在の入管実務では、

“書類”より“実態”

が強く見られる傾向があります。
そのため、

  • 技人国ビザの単純労働化
  • 留学生のオーバーワーク
  • 在留期限管理不足
  • 配属変更時の確認不足

などが、今後さらに問題化していく可能性があります。
特に怖いのは、

「問題が発覚するのが更新時」

というケースが多いことです。
つまり、数年間問題なく働いていても、更新時に初めて不適正運用を指摘されるケースがあります。
外国人雇用は、採用して終わりではありません。

  • 採用時確認
  • 在留期限管理
  • 業務実態管理
  • 継続的モニタリング

まで含めた運用設計が必要な時代になっています。

「人手不足だから」
「業界では普通だから」
「本人が希望していたから」

という説明は、今後ますます通用しなくなる可能性があります。
少しでも不安がある場合は、自己判断せず専門家へ相談することをおすすめします。

事前にしっかり対策を打つことで、大切な外国人材・会社を共に守っていきましょう。

\外国人雇用の“なんとなく運用”が最も危険です/

現在の入管実務では、

  • 在留カードを確認していた
  • 雇用契約書は整えていた
  • 本人から問題ないと聞いていた

だけでは、企業側の責任を回避できないケースが増えています。
特に近年は、

  • 技人国ビザの実態調査
  • 留学生アルバイトのオーバーワーク確認
  • 更新時の詳細資料提出
  • 現場業務との整合性確認

など、“形式”ではなく“実態”が厳しく確認される時代になっています。
また、不法就労助長罪の厳罰化によって、今後は企業リスクがさらに高まる可能性があります。
当事務所では、

  • 外国人雇用スキームの適法性チェック
  • 技人国ビザの業務内容診断
  • 留学生アルバイト管理体制の整備
  • 在留資格更新対策
  • 外国人雇用コンプライアンス支援

など、外国人雇用に関する実務サポートを行っております。
特に、

  • 飲食業
  • 小売業
  • 宿泊業
  • 製造業
  • 建設業
  • IT企業

など、人手不足から外国人採用を拡大している企業様は、今後さらに注意が必要です。

「うちは本当に大丈夫なのか」
「この業務内容で更新できるのか」
「現場運用に問題はないか」

少しでも不安がある場合は、問題化する前にご相談ください。
早い段階で適切に見直すことで、更新不許可や不法就労リスクを未然に防げるケースは非常に多くあります。

当事務所では、墨田区・錦糸町エリアを中心に、外国人採用・就労ビザ申請のご相談を多数いただいております。
上記のようなお悩みをお持ちの企業様・外国人の方は、お気軽にお問い合わせください。

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