【1】就労ビザでも育休・産休を取得できる?
就労ビザを持つ外国人であっても、日本人と同様に育児休業(育休)や産前産後休業(産休)を取得できます。
「外国人だから育休は取得できない」
「就労ビザで休むと在留資格に影響する」
と考えてしまう方もいますが、これは正しくありません。
育休・産休は、労働者の育児や出産を支援するための制度であり、国籍に関係なく対象となります。
例えば、以下のような就労ビザで勤務している方も対象になります。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 高度専門職
- 企業内転勤
- 特定技能
などです。
ただし、注意が必要なのは、育休を取得できることと、就労ビザの更新審査は別に判断されるという点です。
育休中は実際に仕事をしていない期間となるため、更新申請では「一時的な休業なのか」「今後も就労を継続する予定があるのか」という点を確認されます。
そのため、育休中に更新時期を迎える場合には、現在の状況を正しく説明できるよう準備しておくことが大切です。
【2】育休中でも就労ビザの更新はできる?
結論として、育休中や産休中であっても、就労ビザの在留期間更新申請を行うことは可能です。
育休は退職ではなく、会社との雇用関係を維持したまま一時的に勤務を休む制度です。
そのため、
- 会社に在籍している
- 雇用契約が継続している
- 育休終了後に復職する予定がある
という状況であれば、就労ビザの更新において大きな問題になる可能性は高くありません。
一方で、就労ビザは「日本で一定の活動を継続すること」を前提とした在留資格です。
そのため、更新審査では単に「育休中である」という事実だけではなく、今後の就労予定も含めて判断されます。
育休中の更新で重要なのは、「育休を取得していること自体」ではありません。
入管が確認するのは、主に以下のような点です。
- 現在も勤務先との関係が続いているか
- 復職後も就労ビザで認められた業務を行う予定か
- 育休による収入変化について説明できるか
例えば、技術・人文知識・国際業務(技人国)の場合、復職後も翻訳・通訳、技術業務、管理業務、企画業務など、許可された範囲の活動を行うことが前提になります。
育休を取得したことだけで問題になるわけではなく、復職後の予定を含めて総合的に判断されます。
【3】育休中の就労ビザ更新で確認される3つのポイント
育休中の在留期間更新では、主に以下の点が確認されます。
①雇用関係が継続しているか
最も基本となるのが、勤務先との雇用関係が継続しているかという点です。
育休は会社を退職するものではなく、雇用契約を維持したまま取得する制度です。
そのため、現在も会社に在籍していることを確認できれば、育休中である事情を説明しやすくなります。
在職証明書や会社からの説明資料などによって、雇用関係を示すことができます。
②復職予定があるか
育休中の更新では、育休終了後に復職する予定があるかも重要です。
例えば、
- 復職予定日が決まっている
- 会社が復職を予定している
- 復職後の業務内容が明確になっている
といった事情があれば、今後の就労継続を説明しやすくなります。
③収入減少の理由を説明できるか
育休期間中は給与が減少したり、支給されなかったりするケースがあります。
その結果、課税証明書や納税証明書上の収入が前年より少なくなる場合があります。
しかし、育休による一時的な収入減少であれば、それだけで更新に影響するわけではありません。
重要なのは、収入が減少した理由を説明できることです。
必要に応じて、育休取得を証明する資料や理由書を提出することで、審査官にも状況が伝わりやすくなります。
\育休中の就労ビザ更新は、事前準備が重要です/
育休中の就労ビザ更新では、育休を取得していること自体が問題になるわけではありません。
一方で、通常勤務している場合と異なり、収入状況や勤務状況が変化しているため、現在の状況を適切に説明することが大切です。
特に、
- 育休中で給与が減少している
- 復職予定をどのように説明すればよいか分からない
- どのような資料を提出すればよいか迷っている
という場合には、申請前に必要な準備を確認しておくことで、スムーズな更新手続きにつながります。
ひらま行政書士事務所では、就労ビザを専門にサポートしております。
育休中の更新について事前に確認したい方や、現在の状況で更新できるか不安な方は、お気軽にご相談ください。
【4】育休中の更新申請で準備するとよい資料
育休中の就労ビザ更新では、通常の更新申請書類に加えて、育休中であることや復職予定を説明できる資料を提出すると、審査官にも状況が伝わりやすくなります。
ただし、これらの資料がすべての申請で必須になるわけではありません。
申請者の状況や勤務先によって異なりますが、以下のような資料が役立つ場合があります。
- 在職証明書
- 育児休業取得を証明する資料
- 雇用契約書
- 復職予定日が分かる資料
- 会社からの説明書
特に重要なのは、「現在も勤務先との雇用関係が継続していること」と「育休終了後に復職する予定があること」を説明できることです。
①育休中の更新で理由書は必要?
育休中の就労ビザ更新において、理由書の提出が必須というわけではありません。
しかし、育休中は給与が減少したり、給与の支払いが停止したりするケースがあります。
課税証明書や納税証明書だけでは、その理由が育休によるものなのか判断できないため、必要に応じて説明書(理由書)を添付すると状況が伝わりやすくなります。
理由書には、以下のような内容を簡潔に記載するとよいでしょう。
- 育休または産休を取得していること
- 取得期間
- 現在も会社に在籍していること
- 復職予定日
重要なのは、育休による一時的な休業であり、今後も就労活動を継続する予定であることを明確にすることです。
【5】育休中の更新で注意したいケース
① 育休中に退職する場合
育休中は会社との雇用関係が継続しているため、就労ビザの更新申請を行うことができます。
しかし、育休中に退職した場合は注意が必要です。
就労ビザは、日本で許可された活動を継続して行うことを前提とした在留資格です。
そのため、育休取得中であっても、会社を退職してしまうと「勤務先に所属している状態」ではなくなるため、更新申請や今後の在留資格について慎重に検討する必要があります。
特に、退職後に新しい勤務先が決まっていない状態が長期間続く場合には注意が必要です。
正当な理由なく、就労ビザで認められている活動を3か月以上行っていない場合、在留資格取消しの対象となる可能性があります。
もっとも、育休は会社との雇用関係を維持したまま取得する制度であり、復職を前提とした休業です。
そのため、育休を取得している期間は、退職後に仕事をしていない状態とは異なり、育休中であることだけを理由に在留資格取消しの対象となるわけではありません。
もし、出産や育児を理由に会社を退職する場合には、その後の在留資格について早めに検討することが重要です。
①新しい会社へ転職する
育児との両立が可能となり、新しい勤務先で就労する場合には、転職先での業務内容が現在の就労ビザに該当するか確認する必要があります。
例えば、技術・人文知識・国際業務(技人国)の場合、新しい勤務先でも専門的な知識や経験を必要とする業務に従事することが必要です。
また、転職後は、
- 所属機関に関する届出
- 在留期間更新申請
- 必要に応じた就労資格証明書の取得
など、状況に応じた手続きが必要になります。
②家族滞在へ変更する
出産や育児を優先するため、しばらく仕事をしない場合には、条件を満たせば家族滞在への変更を検討できる場合があります。
例えば、配偶者が就労ビザなどで日本に滞在している場合には、家族滞在への変更が選択肢となることがあります。
現在の在留期限が残っている場合でも、退職後の状況によって必要な手続きは変わるため、早めに今後の在留資格について確認することが大切です。
▼家族滞在ビザの詳細については以下のコラムをご覧ください。
【最新版】家族滞在ビザの完全ガイド|呼べる家族の範囲・取得要件・審査期間・働ける条件まで行政書士が徹底解説
②育休後に転職する場合
育休終了後に転職を予定している場合も注意が必要です。
転職自体は可能ですが、新しい勤務先で行う業務が現在の就労ビザで認められる内容であるか確認する必要があります。
また、転職の時期によっては、
- 在留期間更新申請
- 就労資格証明書の取得
- 所属機関に関する届出
など、必要な手続きが変わる場合があります。
転職を予定している場合は、更新申請とのタイミングを考慮して手続きを進めることが重要です。
③育休ではなく休職の場合
育休と休職は似ていますが、就労ビザ更新では異なる点があります。
育休は法律に基づく制度であり、基本的には復職を前提としています。
一方、休職は会社ごとの制度であり、復職時期や今後の就労予定が不明確な場合があります。
そのため、長期間の休職中に更新時期を迎える場合は、休職理由や復職予定について、より丁寧な説明が必要になることがあります。
【よくある質問(FAQ)】
- 育休中で給与が支給されていなくても更新できますか?
はい、更新申請は可能です。
育休中は育児休業給付金を受給しているケースもあります。
給与の有無だけで判断されるわけではなく、雇用関係が継続していることや復職予定があることが重要です。
- 産休中でも就労ビザの更新はできますか?
はい、可能です。
産休中であることだけを理由に更新が不許可になることは通常ありません。
育休と同様に、会社との雇用関係が継続していることがポイントになります。
- 入管から追加資料提出通知が届いた場合、不許可になりますか?
追加資料提出通知が届いたからといって、不許可になるわけではありません。
入管が判断に必要な情報を確認している場合も多いため、通知内容を確認し、期限内に適切な資料を提出することが大切です。
まとめ
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)を取得している外国人の方でも、日本人と同様に育休・産休を取得することができます。
また、育休中や産休中であっても、在留期間更新申請を行うことは可能です。
ただし、育休中の更新では、単に「育休を取得している」という事実だけではなく、
- 現在も勤務先との雇用関係が継続しているか
- 育休終了後に復職する予定があるか
- 収入減少の理由を説明できるか
といった点が確認されます。
そのため、必要に応じて在職証明書や育休取得を確認できる資料、理由書などを準備し、現在の状況を適切に説明することが大切です。
特に、育休中の退職や転職を予定している場合、休職中に更新を迎える場合などは、通常の更新申請とは異なる確認が必要になることがあります。
育休を取得したこと自体が問題になるわけではありませんが、更新時の状況によって準備すべき資料や説明方法は変わります。
\育休中の就労ビザ更新でお困りの場合はご相談ください/
就労ビザの更新では、申請書類を提出するだけではなく、現在の状況を入管に正しく伝えることが重要です。
特に育休中の更新では、
- 収入が前年より減少している
- 復職予定をどのように説明すればよいか分からない
- 会社からどのような資料を準備すればよいか分からない
- 育休後の転職も検討している
など、通常の更新申請とは異なる判断が必要になる場合があります。
当事務所では、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)を中心に、在留期間更新申請や追加資料提出への対応をサポートしております。
ご自身で申請することも可能ですが、状況に応じた資料準備や説明方法によって、審査の進み方が変わることがあります。
育休中の就労ビザ更新についてご不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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