【1】就労ビザ申請でのカテゴリーとは?
就労ビザ申請では、企業規模や給与水準に応じて、所属機関がカテゴリー1~4に分類されます。
対象となる就労ビザは以下の6種類です。
①技術・人文知識・国際業務
②高度専門職
③経営・管理
④研究
⑤企業内転勤
⑥技能
カテゴリー判定は所属機関の形態と前年分給与所得源泉徴収税額によって決まります。
≪ポイント≫
従業員数や資本金だけでなく、給与の総額や事業の安定性が重視されます。
【2】カテゴリー1~4の概要
≪1≫カテゴリー1について
以下のような組織がカテゴリー1に分類されます。
| 該当する企業・団体の例 | 評価 |
|---|---|
| 日本の証券取引所に上場している企業 | 上場基準や監査を受けており、経営の透明性が高く信用力が高い |
| 保険業を営む相互会社 | 安定した資金と金融サービスを展開する公益性の高い会社 |
| 日本又は外国の国・地方公共団体 | 公的機関であり継続運営が確実 |
| 独立行政法人 / 公益法人 / 特殊法人 | 法制度に基づき安定して運営される団体 |
| 法人税法別表第1の公共法人 | 国家の監督下で運営、公益性が非常に高い |
| イノベーション創出企業(高度専門職制度) | 経済産業省等から特別認定された成長期待企業 |
| その他、一定の条件により認定を受けた法人 | 公的機関から特定認定を受けた企業等(例:くるみん認定企業など) |
【カテゴリー1のメリット】
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 申請書類が最も少ない | 他カテゴリーと比べて添付資料が大幅に軽減 |
| 審査期間が比較的短い | 信用度が高いため、確認項目が少なく済む |
| 採用の難易度が下がる | 外国人材から選ばれやすくなる |
| 許可率が安定して高い傾向 | 経営の安定性・継続性に対する説明が不要 |
≪2≫カテゴリー2について
「カテゴリー1」に該当せず,以下のいずれかに該当する場合は「カテゴリー2」として取り扱われます。
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1000万円以上ある団体・個人
- 「在留申請オンラインシステム」の利用申出の承認を受けている機関
ある程度の従業員希望の大きい企業が該当し、従業員200名以上の場合に該当する事が多いです。
従業員200人以下でも、給与水準が高い企業はカテゴリー2に該当する場合があり、在留申請オンラインシステムの利用をしている場合は、源泉徴収税額が基準未満であってもカテゴリー2に該当します。
≪3≫カテゴリー3について
「カテゴリー1」「カテゴリー2」に該当せず,以下に該当する場合は「カテゴリー3」として取り扱われます。
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人
※法人の場合は、「法定調書合計表の源泉徴収税額が1000万円以下の企業」とイメージして問題ありません。
≪4≫カテゴリー4について
カテゴリー1~3のいずれにも該当しない団体・個人は「カテゴリー4」として取り扱われます。
主に創業1年以内の間もない企業が該当します。
【3】カテゴリー別の必要書類
①在留資格認定証明書交付申請書
②申請人の証明写真(縦4cm×横3cm)
③労働条件通知書または雇用契約書の写し
④【専門学校を卒業し専門士又は高度専門士の称号を付与された者のみ】専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
- 「四季報」の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
- 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
- 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書
- 「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書
★ポイント★
財務諸表や事業計画書は原則不要で、入管から追加資料要求がある場合に備えコピーを用意おくといいでしょう。
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- 在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)
★ポイント★
従業員数200人以上や給与水準が高い企業が多く該当します。書類不備があると追加資料要求の可能性ありので注意してください。
①前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
②申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
・労働契約を締結する場合は、労働条件通知書
・日本法人である会社の役員に就任する場合は、役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録
・外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合は地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書
③申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書
④申請人の学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
・大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書
・在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。)
・IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書(※共通書類④を提出する場合は不要)
・外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書(※大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に従事する場合は不要)
⑤法人の登記事項証明書
⑥事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
・勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書
・勤務先等の作成した上記に準ずるその他の文書
⑦直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書。
★ポイント★
カテゴリー1、2より提出資料が一気に増えます。事業安定性や雇用必要性の立証が重要となります。
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
【源泉徴収の免除を受ける機関の場合】
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
【源泉徴収の免除を受けない機関の場合】
以下のいずれか1つ
・給与支払事務所等の開設届出書の写し
・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し)
・納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料
★ポイント★
提出資料は最も多く、入管への説明力が許可可否に直結します。
不備や不足があると不許可リスクが高いので事前準備が重要です。
≪提出書類チェックシート≫(入管のホームページより)
提出書類チェックシート(カテゴリー共通)
提出書類チェックシート(カテゴリー3・4のみ)
【4】カテゴリーによる審査期間の目安
入管が企業をカテゴリー1~4に分けているのも、審査期間に影響しています。
≪カテゴリー1・2≫
上場企業や安定的な大規模企業に該当するため、審査結果が比較的早く出る傾向があります。
目安として1か月~2か月程度で結果が出ることが多いです。
≪カテゴリー3≫
給与所得の源泉徴収税額が1,000万円未満の企業や、比較的小規模な企業は審査に時間がかかりやすく、2か月~3か月程度かかるケースが多くなります。
≪カテゴリー4≫
創業1年以内の企業や、その他カテゴリー1~3に該当しない企業は、より慎重な審査が行われるため、3か月以上かかることも珍しくありません。事前準備次第で審査期間を大幅に短縮することは可能です。
【審査期間が長くなる要因】
カテゴリー以上に、申請内容そのものが審査期間に大きく影響します。
申請内容が在留資格に明確に該当している場合、最短2週間ほどの期間で結果が比較的早く出る傾向があります。
逆に、下記の例のような業務内容が一般的に「単純労働」や「技能」と誤解されやすい場合は、入管局が慎重に判断するため、審査が長引く傾向があります。
例:
・飲食店のスーパーバイザー(SV)
・工場のエンジニア
・福祉施設の相談員
など
こうした職務の場合、カテゴリー1・2でも審査に時間がかかる場合があります。
【その他、審査期間に影響する要素】
入管局の混雑状況
東京、大阪、名古屋など申請件数の多い入管では、順番待ちの影響で審査期間が長くなることがあります。
提出書類の不備や不明瞭な点
必要書類に不足や不明確な点があると、追加資料の提出を求められ、結果的に審査期間が延びます。
申請人の状況
学歴や職務経歴が複雑な場合や複数の在留資格要件に関わる場合も、慎重な審査が必要になるため期間が長くなります。
★ポイント★
- カテゴリーが高い企業ほど、審査は早くなる傾向。
- 申請内容が不明瞭な場合、カテゴリー1・2でも長引く可能性あり。
- 入管局の混雑状況や書類の正確さも、審査期間を左右する大きな要因。
就労ビザのスムーズな取得のためには、自社のカテゴリーを把握し、必要書類を正確に準備することが重要です。
また、業務内容の立証が不十分な場合は、専門家によるチェックやアドバイスを受けることで、審査期間の短縮と不許可リスクの回避につながります。
ご不安がある場合はそのまま進めず、まずは専門家にご相談ください。
【5】カテゴリーごとの違いまとめと申請時の注意点
≪カテゴリーまとめ≫
【カテゴリー1・2】企業規模・安定性が高く、必要書類少、審査スピード早い
【カテゴリー3・4】事業規模が中規模もしくは小規模、新設企業の場合、書類多く、審査慎重
重要なのは事業内容の立証です。業務内容が十分であれば、カテゴリー4でも全く問題なくビザの取得は可能となります。
≪申請時の注意点・ポイント≫
・業務内容の明確化
在留資格の範囲内であることを明確に証明することが、許可のポイントです。
・書類の漏れ防止
カテゴリー3・4は書類が多くなるため、申請前にチェックリストを作成すると安心です。
・専門家への相談
自社のカテゴリー判定、必要書類、審査の流れなどを行政書士などの専門家に確認すると、許可率が向上します。
【6】まとめ
就労ビザ申請では、所属機関のカテゴリー1~4によって、提出書類や審査期間が変わります。
しかし、企業規模が小さいから不利になるわけではありません。最も重要なのは、申請する業務内容を正確に立証できるかどうかです。
自社のカテゴリーや必要書類、申請内容に自信がないまま進めると、審査が長引いたり不許可になるリスクもあります。
特にカテゴリー3・4の企業や新規事業の場合は、入管が求める資料が多くなるため、事前の準備が成功の鍵です。
≪申請前に確認すべきこと≫
- 自社のカテゴリーはどれに該当するか
- 必要書類はすべて揃っているか
- 申請する業務内容が在留資格の範囲内で立証できるか
不安な場合は、当事務所のような就労ビザ専門の行政書士に相談して、必要書類のチェックや業務内容の立証をサポートしてもらうことをおすすめします。
適切な準備とプロのサポートで、審査期間の短縮や不許可リスクの回避につなげて業務の効率化を図っていきましょう。
まずは無料相談で、自社がどのような状況なのか、の確認を!
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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