【1】外国人を採用するときは「在留資格の取得」が重要
外国人が日本で働く場合、原則として、予定している仕事を行うことが認められる在留資格が必要です。
たとえば、外国人を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用する場合、学歴・職歴と仕事内容との関連性や、会社の事業内容、雇用条件などについて入管で審査されます。
そのため、会社が採用を決めたからといって、必ず在留資格が取得できるとは限りません。
採用と在留資格の許可は別の問題だからです。
また、在留資格の変更や取得が認められなかったにもかかわらず、外国人を予定していた仕事に就かせることもできません。
在留資格の範囲を超えて就労させると、不法就労に該当する可能性があり、外国人本人だけでなく、会社側も不法就労助長の問題を問われる可能性があります。
したがって、外国人を採用するときは、採用を決めるだけでなく、その外国人が実際に予定している仕事をするための在留資格を取得できるかを確認することが重要です。
【2】在留資格が不許可になったら、内定取消しはできる?
では、実際に在留資格の申請が不許可になった場合、内定を取り消すことはできるのでしょうか。
ポイントは、「在留資格が不許可になった=必ず内定取消しができる」というわけではないということです。
採用内定によって労働契約が成立している場合、内定取消しは単なる「採用をやめる」という扱いではなく、労働契約を終了させる問題となることがあります。
厚生労働省も、採用内定について、一定の場合には始期を定めた解約権付きの労働契約が成立するとした最高裁判例を紹介しており、内定取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要としています。
一方、在留資格を取得できなければ、外国人を予定していた仕事に適法に就かせることができません。
そのため、在留資格を取得できず、予定していた雇用を開始できないことは、内定取消しを検討するうえで重要な事情になります。
ただし、実際に内定取消しが認められるかどうかは、個々の契約内容や内定に至った経緯などによって判断する必要があります。
【3】内定取消しを検討するときに確認すべきポイント
在留資格が不許可になったからといって、すぐに内定取消しを通知するのではなく、まず次の点を確認しましょう。
①雇用契約書・採用内定通知書の内容
特に確認したいのが、在留資格の取得を前提として採用しているかという点です。
たとえば、雇用契約書や採用内定通知書に、
- 在留資格の取得を採用の条件とする
- 在留資格を取得できない場合は雇用を開始しない
- 一定の事情が生じた場合には内定を取り消すことがある
といった内容が明確に定められているかを確認します。
たとえば、以下のような停止条件の文言を記載しておくことが望ましいでしょう。
在留資格が許可されない場合、本契約は効力を生じない。
このように採用内定時には、採用時期や採用条件などを明確にしておくことが重要です。
万が一、内定を取り消すことになった際、揉め事に発展しないように内定を出すタイミングで事前に説明をし、理解を得ておきましょう。
特に外国人の場合、日本の労働法や採用内定のルールを十分に理解していないこともあります。
そのため、内定取消しの通知を一方的に行うのではなく、本人が内容を理解できるよう、必要に応じて本人が理解できる言語で説明するなどの配慮も必要です。
②在留資格が不許可になった理由
「不許可だった」という結果だけでなく、なぜ不許可になったのかも重要です。
仕事内容と学歴・職歴の関連性に問題があったのか、会社側の資料に問題があったのか、単純な説明不足や書類不足だったのかなどによって、その後の対応は変わります。
③本当に予定していた仕事ができないのか
在留資格を取得できなかった場合でも、会社として別の適法な雇用方法が存在するのかを確認することも重要です。
ただし、会社側の都合だけで仕事内容を変更すればよいというものではありません。
変更後の仕事内容が取得している、または取得可能な在留資格の範囲に入るのかなどを確認する必要があります。
\内定取消しを判断する前に、在留資格の可能性を確認しませんか?/
在留資格が不許可になったからといって、すぐに内定取消しを決める必要があるとは限りません。
「なぜ不許可になったのか」
「問題点を修正して再申請できるのか」
「予定している仕事を別の在留資格で行える可能性があるのか」
などを確認したうえで、今後の対応を検討することが大切です。
当事務所では、外国人採用にあたり、学歴・職歴・予定している業務内容・雇用条件などを確認し、就労ビザを取得できる可能性があるか事前に診断しています。
内定を取り消す前に、まずは「このケースは再申請で解決できるのか」を確認しておきたい企業様も、お気軽にご相談ください。
許可・不許可の事前診断を無料で実施中です。
【4】在留資格が不許可になったら、再申請できるか確認する
在留資格が不許可になった場合、内定取消しを検討する前に、再申請によって許可を得られる可能性があるかを確認することも重要です。
在留資格の申請が不許可になった場合でも、すべてのケースで再申請ができないわけではありません。
たとえば、申請書類の説明が不十分だったり、会社や仕事内容について入管に十分な説明ができていなかったりしたケースでは、不許可の理由を確認したうえで、問題を修正して再申請できる可能性があります。
一方で、仕事内容そのものが在留資格の要件に合っていない場合など、根本的な問題があるケースでは、単に同じ内容で再申請しても許可されるとは限りません。
そのため、不許可になった場合は、まず不許可理由を確認し、何を修正すれば許可の可能性があるのかを検討することが重要です。
再申請によって問題を解決できるのであれば、企業としても内定取消しを急ぐ必要はありません。
反対に、仕事内容や雇用条件などに根本的な問題があり、予定していた在留資格を取得することが難しいのであれば、内定後の対応を改めて検討する必要があります。
【5】外国人を採用するときに企業が注意したいこと
在留資格が不許可になった後の対応だけでなく、採用内定を出す段階から準備しておくことも重要です。
まず、内定を出す前に、外国人本人の学歴・職歴と予定している仕事内容が在留資格の要件に合っているかを確認しましょう。
また、雇用契約書や採用内定通知書についても、在留資格の取得が必要な場合には、その点を踏まえて条件を整理しておくことが重要です。
特に、在留資格の取得を前提として採用するのであれば、上述のように停止条件を記載しておきましょう。
さらに、外国人本人が契約内容を十分に理解できるよう、必要に応じて本人が理解できる言語で説明することも大切です。
そのため、外国人採用では、「採用してから在留資格を考える」のではなく、「在留資格を取得できる見込みを確認してから採用を進める」という考え方が重要となります。
このように採用前に在留資格の可能性を確認しておけば、採用後に「在留資格が取れないため働かせることができない」という事態を避けやすくなります。
【まとめ】
外国人を採用したものの、在留資格が不許可になった場合、予定していた仕事をさせることができなくなる可能性があります。
そのため、在留資格を取得できないことは、内定取消しを検討する重要な事情となりますが、「在留資格が不許可になった=必ず内定取消しができる」というわけではありません。
実際に対応する際には、次の点を確認することが重要です。
- 雇用契約書や採用内定通知書にどのような条件を定めているか
- 在留資格が不許可になった理由は何か
- 予定していた仕事を適法に行わせることができるか
- 再申請によって在留資格を取得できる可能性があるか
特に外国人採用では、内定を出してから在留資格の取得可能性を確認するのではなく、採用を決める前に確認しておくことが重要です。
採用前に仕事内容や学歴・職歴などを確認し、在留資格を取得できる可能性を把握しておけば、採用後に「在留資格が取れず、予定していた仕事を任せられない」というトラブルを防ぎやすくなります。
\外国人を採用する前に、就労ビザを取得できるか確認しませんか?/
外国人採用では、内定を出した後に在留資格の問題が発覚すると、企業側も対応に困ってしまいます。
「この外国人を採用して、就労ビザを取得できるだろうか?」
「内定を出す前に、仕事内容や学歴・職歴に問題がないか確認したい」
このような場合は、採用を進める前に在留資格の取得可能性を確認しておくことをおすすめします。
当事務所では、企業が外国人を採用する際に、採用予定者の学歴・職歴、予定している仕事内容、雇用条件などを確認し、就労ビザを取得できる可能性があるか事前に診断しています。
採用してから「在留資格が取れない」と分かってしまうと、採用計画の見直しや内定後の対応が必要になることがあります。
だからこそ、内定を出す前の段階で、就労ビザの取得可能性を確認しておくことが大切です。
外国人採用を検討している企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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