【1】法定調書合計表とは?
就労ビザ申請で提出を求められる法定調書合計表の正式名称は、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」です。
これは、企業や個人事業主が従業員に支払った給与や、一定の報酬などに関する法定調書を集計し、税務署へ提出するための書類です。
法定調書には約60種類程のさまざまな種類がありますが、そのうち法定調書合計表には、主に以下の6種類に関する集計内容が記載されます。
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書
- 不動産の使用料等の支払調書
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
就労ビザとの関係で特に重要なのは、給与に関する情報です。
法定調書合計表には、企業が給与を支払った従業員の人数や支払金額、源泉徴収税額などが記載されており、就労ビザ申請では勤務先企業のカテゴリーを判断するための資料として利用されます。
つまり、法定調書合計表は本来税務署へ提出する書類ですが、就労ビザ申請では、企業の規模や雇用実態を確認するための重要な資料の一つでもあるのです。
【2】就労ビザの新規申請や更新で法定調書合計表は必要?
就労ビザの新規申請や更新申請では、勤務先企業がどのカテゴリーに該当するかによって必要書類が異なります。
例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、外国人を受け入れる企業などの所属機関がカテゴリー1からカテゴリー4までに区分されています。
カテゴリー1
上場企業や一定の公的機関などが該当します。
カテゴリー1の場合は、法定調書合計表の写しではなく、上場企業等であることを証明する資料を提出することになります。
カテゴリー2
前年分の給与所得に関する法定調書合計表において、1000万円以上の源泉徴収税額がある企業などが該当します。
カテゴリー2に該当する場合には、勤務先企業がカテゴリー2に該当することを確認するため、前年分の法定調書合計表の写しが必要書類となります。
カテゴリー3
前年分の「職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出している企業のうち、カテゴリー2に該当しない企業などがカテゴリー3に該当します。
わかりやすく言うと、前年分の法定調書合計表を提出している企業のうち、「給与所得の源泉徴収票合計表」欄にある「源泉徴収税額」が1,000万円未満の場合は、原則としてカテゴリー3に該当します。
カテゴリー3の場合も、前年分の法定調書合計表の写しを提出します。
自社がカテゴリー2なのか3なのかを判断する際、以下の右側に青く囲ってある、「源泉徴収税額」が
1000万円以上→カテゴリー2
1000万円未満→カテゴリー3
と判断して問題ありません。

カテゴリー4
カテゴリー1から3のいずれにも該当しない企業がカテゴリー4となります。
例えば、設立したばかりで前年分の法定調書合計表が存在しない会社などが該当することがあります。
カテゴリー4の場合は、法定調書合計表ではなく、会社の設立状況や事業内容などを確認するための別の資料を提出することになります。
▼カテゴリーにについての詳しい解説については以下のコラムをご覧ください。
就労ビザ申請における「カテゴリー」とは?カテゴリー1〜4の違い・必要書類・審査への影響を行政書士が徹底解説!
【3】なぜ就労ビザ申請で法定調書合計表が必要なのか?
法定調書合計表は、本来、企業が税務署へ提出する税務書類です。
では、なぜ就労ビザの申請や更新において、出入国在留管理庁へその写しを提出する必要があるのでしょうか。
就労ビザの審査では、外国人本人の学歴や職歴、予定している業務内容だけでなく、外国人を受け入れる企業の状況も審査されます。
そのため、入管は法定調書合計表の記載内容を通じて、企業の規模や雇用の実態を確認します。
例えば、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」には、企業が従業員に支払った給与に関する情報や従業員数などが記載されています。
こうした情報は、企業が実際に事業活動を行っているか、また外国人を継続して雇用できるだけの事業基盤があるかを判断する際の参考資料の一つとなります。
また、法定調書合計表を税務署へ適切に提出していることは、企業が税務上必要な手続きを行っていることを確認する資料にもなります。
つまり、就労ビザ申請における法定調書合計表は、単に企業のカテゴリーを判断するためだけの書類ではありません。
外国人を受け入れる企業の事業実態や雇用状況、企業としての信頼性を確認するための資料の一つとしても利用されています。
特に就労系の在留資格では、外国人本人が日本で予定している活動が適切なものであるかだけでなく、その外国人を雇用する企業が適切な受入れ機関であるかについても審査されます。
そのため、法定調書合計表を含めた企業関係の資料を通じて、申請内容を総合的に確認することが重要になります。
\就労ビザの必要書類についてお困りではありませんか?/
就労ビザの申請では、法定調書合計表のほかにも、勤務先企業のカテゴリーや申請内容に応じて、さまざまな書類を準備する必要があります。
「自社はどのカテゴリーに該当するのかわからない」
「法定調書合計表がない場合、どの書類を提出すればいいの?」
「経理担当者から受け取った書類が、就労ビザ申請に使えるものかわからない」
このような場合は、自己判断で書類を準備すると、必要な書類が不足したり、申請準備に時間がかかったりする可能性があります。
ひらま行政書士事務所では、外国人を雇用する企業様の状況に応じて、就労ビザ申請に必要な書類の確認から、申請書類の作成、入管への申請までサポートしています。
就労ビザの新規申請や更新申請でお困りの企業様は、まずはお気軽にご相談ください。
【4】法定調書合計表がない場合はどうする?
法定調書合計表がない場合でも、必ずしも就労ビザを申請できないわけではありません。
企業の状況に応じて、必要な資料を準備することになります。
①会社設立後、まだ法定調書合計表を提出していない場合
新設会社の場合、前年分の法定調書合計表が存在しないことがあります。
このような場合は、カテゴリー4として申請し、会社の登記事項証明書や事業内容を説明する資料など、企業の実態を確認するための書類を提出することになります。
②前年分の法定調書合計表がまだ作成されていない場合
法定調書合計表は、決算期にかかわらず、毎年1月1日から12月31日までの支払分を対象として作成します。
そして、原則として翌年1月31日までに税務署へ提出します。
そのため、就労ビザ申請で使用する法定調書合計表は、原則として最新年度のものが必要です。
例えば、2026年中に申請する場合、2025年分の法定調書合計表が最新の書類となります。
ただし、2026年1月中は2025年分の法定調書合計表の提出期限前であるため、最新年度の書類がまだ完成していないことがあります。
このような事情から、最新年度の法定調書合計表は、原則として翌年2月以降に入手することになります。
申請時期によっては、どの年度の法定調書合計表を提出すべきか個別に確認する必要があるため、古い年度の書類を自己判断で提出しないよう注意しましょう。
③控えを紛失してしまった場合
法定調書合計表の控えが見つからない場合は、まず社内の経理担当者や顧問税理士に確認しましょう。
大体の場合、顧問税理士に欲しい旨を伝えれば入手できます。
e-Taxを利用して電子申告している場合には、電子申告時の受信通知などを確認できる場合もあります。
「控えがないから就労ビザを申請できない」と判断するのではなく、企業の状況に応じて、どのような資料を準備できるか確認することが大切です。
【5】法定調書合計表を提出する際のポイント
①原則として最新年度のものを使用する
就労ビザ申請で使用する法定調書合計表は、原則として最新年度のものを準備します。
上述のとおり法定調書合計表は、決算期とは関係なく、毎年1月1日から12月31日までの給与や報酬等を対象として作成され、翌年1月31日までに税務署へ提出します。
そのため、最新年度の法定調書合計表は、原則として翌年2月以降に入手できます。
例えば、2026年2月以降に就労ビザを申請する場合には、原則として2025年分の法定調書合計表を使用します。。
②税務署の受付印がなくても提出できる
以前は、税務署の受付印が押された法定調書合計表の写しを入管へ提出することが一般的でした。
しかし、税務署における受付印の押なつが原則として廃止されたため、現在は受付印のない控えであっても提出することができます。
e-Taxで提出した場合は、法定調書合計表の写しとあわせて、電子申告の受信通知などを確認できる資料を準備しておくとよいでしょう。
③法定調書合計表だけで就労ビザが許可されるわけではない
法定調書合計表は、企業カテゴリーを確認するための重要な書類ですが、それだけで就労ビザの許可・不許可が決まるわけではありません。
申請内容に応じて、例えば以下のような資料も確認されます。
- 登記事項証明書
- 決算書類
- 会社案内
- 雇用契約書
- 職務内容を説明する資料
- 事業内容を説明する資料
など。
特に新設会社や事業実績が少ない企業の場合は、採用する外国人の職務内容や、会社が継続して給与を支払うことができるかなどについて、より詳しい資料が必要となる場合があります。
そのため、法定調書合計表だけに注目するのではなく、申請書類全体に不足や矛盾がないかを確認することが大切です。
【まとめ】
就労ビザの新規申請や更新申請では、勤務先企業のカテゴリーに応じて、提出する書類が異なります。
法定調書合計表は、本来、企業が税務署へ提出する税務書類ですが、就労ビザの申請では、企業のカテゴリーや規模、雇用の実態などを確認するための資料として利用されます。
特に、カテゴリー2またはカテゴリー3に該当する企業は、原則として前年分の法定調書合計表の写しを提出する必要があります。
また、申請に使用する法定調書合計表は、原則として最新年度のものを準備する必要があります。
法定調書合計表は毎年1月1日から12月31日までの支払分を対象として作成され、翌年1月31日までに税務署へ提出する書類です。
そのため、申請する時期によっては、どの年度の書類を提出すべきか注意しなければなりません。
就労ビザの申請では、法定調書合計表だけでなく、外国人本人の経歴や職務内容、勤務先企業の事業内容、給与水準なども総合的に審査されます。
「自社がどのカテゴリーに該当するかわからない」
「どの年度の法定調書合計表を提出すればいいかわからない」
「新設会社でどのような書類を準備すればいいかわからない」
このような場合は、書類を自己判断で準備するのではなく、就労ビザに詳しい行政書士に確認することをおすすめします。
\就労ビザの必要書類にお困りの企業様へ/
就労ビザの申請では、勤務先企業のカテゴリーによって必要書類が異なります。
法定調書合計表についても、
- 自社がカテゴリー2またはカテゴリー3のどちらに該当するのか
- どの年度の法定調書合計表を提出すればいいのか
- 新設会社で法定調書合計表がない場合はどうすればいいのか
など、企業の状況によって準備すべき書類が変わります。
また、就労ビザの審査では、法定調書合計表だけでなく、外国人本人の学歴・職歴、予定している職務内容、給与額、勤務先企業の事業内容など、さまざまな点を総合的に確認する必要があります。
ひらま行政書士事務所では、外国人を雇用する企業様向けに、就労ビザの新規申請・更新申請をサポートしています。
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