「外国人歌手を日本のコンサートに出演させたい」
「外国人俳優を映画やCMに出演させたい」
「外国人プロスポーツ選手を日本の大会に招へいしたい」

このような場合に必要となる可能性があるのが、興行ビザ(在留資格「興行」)です。
興行ビザは、コンサートや舞台、スポーツ大会などの興行活動だけでなく、映画・テレビ番組への出演、商業用写真の撮影、広告などの一定の芸能活動も対象となります。

ただし、興行ビザは活動内容によって基準1号イ・ロ・ハ、基準2号、基準3号に分かれており、それぞれ求められる要件が異なります。
特に演劇や演奏などの興行では、外国人本人の経歴だけでなく、招へい機関の実績、興行施設、報酬、活動期間なども確認する必要があります。

この記事では、行政書士が興行ビザの対象となる活動、5つの区分ごとの取得要件、申請の流れ、申請時の注意点についてわかりやすく解説しますので是非最後までご覧ください。

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【1】興行ビザとは?

興行ビザとは、外国人が日本で演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏、スポーツなどの興行活動や、一定の芸能活動を行うための在留資格です。
代表的な対象者として、次のような人が挙げられます。

  • 歌手・ミュージシャン
  • 俳優
  • ダンサー
  • 演奏家
  • モデル
  • プロスポーツ選手

また、活動内容によっては、スポーツ選手の監督、コーチ、トレーナーなども対象となる場合があります。

興行ビザの在留期間は、3年、1年、6か月、3か月、30日です。

どの在留期間が認められるかは、予定されている活動内容や契約期間などを踏まえて個別に判断されます。

なお、興行ビザは「歌手なら取得できる」「俳優なら取得できる」というように、職業だけで決まるものではありません。
日本で実際にどのような活動を行うのかを確認し、その活動が興行ビザの対象となるか、またどの区分に該当するかを判断する必要があります。

【2】興行ビザの対象となる活動とは?

興行ビザは、外国人が日本で演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏、スポーツなどの興行活動や、一定の芸能活動を行うための在留資格です。
たとえば、外国人歌手のコンサート出演、俳優の舞台出演、プロスポーツ選手としての試合への出場、映画やテレビ番組への出演などが対象となります。

ただし、同じ「芸能活動」であっても、どのような活動を行うのか、どこで行うのか、どのような形で報酬を受けるのかによって、適用される基準が異なります。
現在の興行ビザは、次のように整理されています。

区分主な対象活動
基準1号イ演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏などの興行
基準1号ロ問題が生じるおそれが少ない一定の演劇等の興行
基準1号ハ基準1号イ・ロに該当しない演劇等の興行
基準2号プロスポーツ、格闘技、サーカス、プロダンス競技、eスポーツ大会など
基準3号商品・事業の宣伝、映画・テレビ番組への出演、商業用写真の撮影、録音・録画など

このように、興行ビザは活動内容だけでなく、興行を行う施設や招へい機関なども含めて、どの基準に該当するのかを判断する必要があります。

【3】興行ビザ1号の対象となる活動

①基準1号イ|一定の実績がある招へい機関による演劇等の興行

基準1号イは、演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏などの興行活動が対象です。
外国人歌手のライブ、ミュージシャンのコンサート、ダンサーによる公演、演劇などが代表的な例です。

2023年8月1日の改正によって、基準1号イの要件は大きく見直されました。
現在は、過去に基準1号イで在留資格認定証明書の交付を受けた実績があるなど、適正に興行を実施してきた招へい機関について、一定の要件を満たせば受入れが認められます。

一方で、興行を行う施設については、風営法第2条第1項第1号から第3号までに規定される一定の営業を行う施設を除くなどの要件があります。
そのため、基準1号イでは、外国人本人だけでなく、招へい機関の過去の実績や施設の営業形態も重要な判断材料になります。

②基準1号ロ|問題が生じるおそれが少ない演劇等の興行

基準1号ロも、演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏などの興行が対象です。
ただし、基準1号ロでは、興行の主催者や開催場所、報酬額などから、不法就労などの問題が生じるおそれが少ないと考えられる一定の興行が対象となります。
代表的には、次のようなケースです。

  • 国や地方公共団体などが主催する興行
  • 学校などで行われる興行
  • 日本と外国との文化交流を目的として行われる興行
  • 外国の情景や文化をテーマとして観光客を招致する一定規模以上の施設で行われる興行
  • 客席で有償の飲食物を提供せず、客の接待を行わない一定の施設で行われる興行
  • 1日につき50万円以上の報酬を受け、30日を超えない期間で行われる興行

基準1号イと異なり、これらの類型では、一定の条件を満たせば、招へい機関の過去の実績や、基準1号ハのような細かな施設要件などが求められない点が特徴です。

③基準1号ハ|基準1号イ・ロに該当しない演劇等の興行

基準1号ハは、基準1号イ・ロのいずれにも該当しない演劇等の興行が対象です。
例えば、外国人アーティストが一定の施設でライブを行うものの、基準1号イの招へい機関の要件にも、基準1号ロの特例にも該当しない場合などが考えられます。

この場合、基準1号イ・ロよりも厳しい要件が設けられています。
外国人本人については、原則として、

  • 外国の教育機関で、興行に関係する科目を2年以上専攻していること
  • 外国で興行に係る活動を2年以上経験していること

のいずれかを満たす必要があります。
また、興行契約に基づく月額20万円以上の報酬も必要です。

さらに、招へい機関についても、外国人の興行に関する業務について3年以上の経験を有する経営者または管理者がいること、5名以上の常勤職員を雇用していることなどが求められます。
興行を行う施設についても、舞台や控室、従業員数などの要件が定められています。
このため、基準1号ハでは、外国人本人・招へい機関・興行施設のそれぞれについて要件を確認する必要があります。

【4】興行ビザ2号の対象となる活動と取得要件

興行ビザ2号は、演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏など以外の興行活動が対象です。
代表的な活動として、次のようなものがあります。

  • プロスポーツの試合
  • 格闘技の大会
  • ダンス選手権などの競技会
  • サーカス
  • その他のスポーツなどの興行

また、プロスポーツ選手本人だけでなく、監督、コーチ、トレーナーなど、選手と一体不可分の関係にある者も、活動内容によって興行ビザ2号の対象となります。
2号では、日本人が同様の活動に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬であることが求められます。

1号ハのように、外国人本人に2年以上の興行経験を求めたり、招へい機関に3年以上の興行業務経験を求めたりする要件はありません。
ただし、実際の申請では、誰が、どこで、どのような活動を行うのか、契約関係や報酬が適切かなどを具体的に確認する必要があります。

【5】興行ビザ3号の対象となる活動と取得要件

興行ビザ3号は、1号・2号のような興行の形態ではなく、一定の芸能活動を行う場合が対象となります。
具体的には、次のような活動です。

  • 商品または事業の宣伝
  • 放送番組や映画の製作
  • 商業用写真の撮影
  • 商業用のレコード、ビデオテープなどへの録音・録画

例えば、

「外国人モデルに日本企業の広告写真を撮影してもらう」
「外国人俳優を日本の映画に出演させる」
「外国人歌手にCM用の楽曲を録音してもらう」

といったケースが考えられます。

2号と同様に、日本人が同じ活動に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬であることが求められます。
また、招へい機関の興行実績や、外国人本人の過去の興行活動の実績が要件となっていない点も2号と同様です。

\興行ビザの区分判断や要件に不安がある場合は、早めにご相談ください/

興行ビザは、外国人本人の職業だけでなく、実際の活動内容や公演場所、招へい機関、報酬などを踏まえて、どの基準に該当するのかを判断する必要があります。
特に演劇や音楽などの興行では、基準1号イ・ロ・ハのどれに該当するかによって、求められる要件が大きく異なります。

「この公演はどの区分になるのか分からない」
「予定している施設で外国人を出演させられるのか確認したい」
「公演日が決まっているので、申請を間に合わせられるか不安」

このような場合は、申請準備を始める前に専門家へ相談することをおすすめします。
当事務所では、興行内容や契約関係、スケジュールなどを確認したうえで、該当する在留資格の基準や申請の進め方についてご案内しています。

興行ビザの申請を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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【6】興行ビザを取得するまでの流れ

海外にいる外国人を日本へ招へいする場合、一般的には次の流れで手続きを進めます。

STEP1
活動内容とスケジュールを確認する

まず、日本で行う活動内容、出演場所、活動期間、報酬、主催者、招へい機関などを整理します。
この段階で、1号・2号・3号のどの区分に該当するのかを確認することが重要です。

STEP2
契約を締結する

外国人本人と日本側の契約機関との間で、活動内容、期間、報酬などを明確にした契約を締結します。

STEP3
在留資格認定証明書(COE)を申請する

海外から外国人を呼び寄せる場合、原則として日本側で在留資格認定証明書交付申請を行います。
興行ビザでは活動内容によって要件や提出資料が異なるため、該当する区分に応じて準備します。

STEP4
海外の日本大使館・領事館で査証を申請する

在留資格認定証明書が交付されたら、外国人本人が海外の日本大使館・領事館で査証を申請します。

STEP5
日本へ入国して活動を開始する

査証が発給された後、日本へ入国し、許可された活動を開始します。
公演やイベントは開催日が決まっているケースが多いため、入国までに必要な期間を考慮して、余裕を持って準備することが重要です。

【7】興行ビザ申請で注意したいポイント

興行ビザの申請では、単に外国人本人の経歴や契約書を提出すればよいわけではありません。
特に重要なのが、日本で実際に行う活動と、申請内容が一致しているかという点です。
例えば、

  • 実際の出演内容と契約書の内容が異なる
  • 公演場所の営業形態に問題がある
  • 報酬や契約期間が明確になっていない
  • 1号の要件を満たしていないのに1号として申請する

といった場合には、慎重な確認が必要です。
また、興行ビザは公演やイベントの日程が決まっていることが多いため、「いつまでに来日できればよいのか」から逆算して準備することも大切です。

【まとめ】

興行ビザは、外国人が日本でコンサートや舞台、スポーツ大会、映画・CM出演などの活動を行うために必要となる在留資格です。
ただし、「歌手だから興行ビザ」「俳優だから興行ビザ」というように、職業だけで決まるわけではありません。

日本で実際にどのような活動を行うのかによって、基準1号イ・ロ・ハ、基準2号、基準3号のどの区分に該当するのかを判断する必要があります。
特に演劇や演奏などの興行では、招へい機関の実績や興行施設、報酬、活動期間などによって適用される基準が変わるため、申請前の確認が重要です。

また、海外から外国人を招へいする場合は、在留資格認定証明書(COE)の申請から海外での査証申請、日本への入国まで一定の手続きが必要になります。
コンサートや公演、スポーツ大会などは開催日が決まっていることが多いため、予定している活動内容を整理したうえで、スケジュールから逆算して早めに準備することが大切です。

\興行ビザの申請を行政書士に依頼するなら/

興行ビザは、外国人本人の経歴だけでなく、活動内容、契約関係、招へい機関、興行施設、報酬、活動期間などを総合的に確認して申請する必要があります。
特に、

外国人アーティストを海外から招へいしてコンサートを開催したい
外国人歌手や俳優を日本のイベントに出演させたい
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外国人プロスポーツ選手を日本の大会に参加させたい
興行ビザの1号・2号・3号のどれに該当するのかわからない
公演日が決まっているため、できるだけスムーズに申請したい

といった場合は、申請準備の段階で在留資格の該当性や要件を確認しておくことが重要です。
当事務所では、外国人を日本に招へいする企業・イベント主催者の方から、活動内容や契約内容を確認したうえで、適切な興行ビザの申請手続きをサポートしています。

「この活動は興行ビザで呼べるのか」「1号・2号・3号のどれに該当するのか」といった段階からでもご相談いただけます。
外国人アーティストやスポーツ選手などの招へいを検討されている方は、お早めにご相談ください。

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