【1】外国人留学生をアルバイトからそのまま正社員として雇うことはできる?
外国人留学生をアルバイトから正社員として採用することは可能です。
ただし、現在持っている「留学」の在留資格のまま、卒業後に正社員として働けるわけではありません。
「留学」の在留資格は、大学や専門学校などの教育機関で教育を受けることを目的としているため、原則として就労することは認められていません。
もっとも、資格外活動許可を受けている場合には、一定の範囲内でアルバイトをすることができます。
そのため、
「現在アルバイトとして問題なく働いているから、卒業後もそのまま正社員として働いてもらおう」
と考える企業もあるでしょう。
しかし、アルバイトとして働けることと、卒業後に正社員として働けることは別問題です。
卒業後も日本で正社員として働くためには、原則として「留学」から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
一般企業への就職で代表的なのが、「技術・人文知識・国際業務」です。
そして、在留資格変更で特に重要になるのが、正社員として実際にどのような仕事を担当するのかという点がポイントです。
【2】留学生を正社員として採用するには「就労ビザ」への変更が必要
一般企業に就職する外国人留学生の場合、「技術・人文知識・国際業務」への変更を検討するケースが多くなります。
「技術・人文知識・国際業務」は、大学や専門学校などで修得した知識や、一定の実務経験などを活用して、専門性のある業務に従事するための在留資格です。
そのため、
「この留学生は仕事ができるから正社員として採用したい」
という理由だけで、在留資格の変更が認められるわけではありません。
審査では、例えば、
- 外国人本人の学歴・専攻
- これまでの職歴
- 正社員として担当する具体的な業務
- その業務に必要となる知識・技能
- 学歴・専攻と仕事内容との関連性
- 給与などの雇用条件
- 企業の事業内容や安定性
などが確認されます。
つまり、企業側は「正社員として採用する」ということだけでなく、採用後に具体的にどのような業務を担当してもらうのかまで明確にしておく必要があります。
【3】アルバイトの留学生を正社員として採用できるケース
では、どのような場合であれば、アルバイトとして雇用している外国人留学生を正社員として採用できるのでしょうか。
ポイントは、正社員として担当する業務が就労可能な在留資格の対象となり、本人の学歴・専攻などとの関連性も認められることです。
①大学等で学んだ専門知識を活かせる仕事に就く場合
例えば、経済学や経営学を専攻していた外国人が卒業後に、
- 営業
- マーケティング
- 企画
- 経理
- 貿易関連業務
などを担当するケースです。
また、情報系の学部・学科を卒業した外国人が、システムエンジニアやプログラマーとして働くケースも考えられます。
このように、大学等で学んだ内容と、就職後に担当する仕事との間に一定の関連性があることが重要になります。
②アルバイト時と正社員後で担当業務が変わる場合
例えば、飲食店でアルバイトをしていた留学生が、卒業後は、
- 店舗運営・管理
- 外国人スタッフの管理
- 海外顧客への対応
- 通訳・翻訳
- マーケティング
などの業務を担当するケースです。
このような場合は、アルバイト時の仕事内容だけで判断するのではなく、「正社員として実際に担当する業務が在留資格の要件を満たすか」を確認する必要があります。
ただし、「アルバイトと違う仕事に変更すれば、必ず就労ビザを取得できる」というわけではありません。
仕事内容を変更したうえで、本人の学歴・専攻との関連性なども確認する必要があります。
【4】アルバイトから正社員への採用が難しいケース
①アルバイト時と正社員後の仕事内容がほとんど同じ
例えば、飲食店でアルバイトをしていた留学生が、卒業後も、
- ホールでの接客
- 料理の配膳
- 食器洗浄
- 店内清掃
などを中心に担当するケースです。
スーパーでアルバイトをしていた留学生が、正社員になった後もレジ打ちや商品陳列、清掃などを中心に行うケースも同様です。
このような場合、単にアルバイトから正社員へ雇用形態を変更するだけでは、「技術・人文知識・国際業務」への変更が難しくなる可能性があります。
重要なのは「正社員」という雇用形態ではなく、実際にどのような業務に従事するのかです。
②アルバイトと異なる仕事でも、学歴・専攻との関連性がない
一方、アルバイト時と正社員後で仕事内容を変えれば、それだけで問題が解決するわけでもありません。
「技術・人文知識・国際業務」への変更では、外国人本人が大学等で修得した知識・技能と、就職後に担当する業務との間に一定の関連性が求められます。
そのため、
「アルバイトとは違う仕事にする」+「正社員にする」=就労ビザを取得できる
とは限りません。
例えば、大学で学んだ専門分野と就職後の業務との関連性が乏しい場合には、在留資格変更が難しくなる可能性があります。
どれだけ本人が優秀であっても、実際の仕事内容が在留資格の要件を満たしているかが重要です。
\自社のケースは大丈夫?採用前の確認がおすすめです/
アルバイトとして雇用している外国人留学生を卒業後も正社員として採用したい場合、「正社員にする予定がある」というだけでは、就労ビザへの変更が可能か判断できません。
正社員として担当する仕事内容と、外国人本人の学歴・専攻などを確認したうえで、在留資格の要件を満たすか検討する必要があります。
例えば、
「この仕事内容なら就労ビザに変更できる?」
「アルバイトと仕事内容が変わるけれど問題ない?」
「本人の専攻と仕事との関連性があるか分からない」
という場合には、採用を決定する前に在留資格の可能性を確認しておくことをおすすめします。
ひらま行政書士事務所では、外国人留学生の正社員採用に伴う在留資格変更について、外国人本人の学歴・専攻や採用後の仕事内容を確認したうえで、申請の可能性を検討しています。
採用を進める前に確認しておきたい方は、お気軽にご相談ください。
【5】留学生を正社員として採用する前に確認すべき4つのポイント
アルバイトとして雇用している外国人留学生を卒業後も正社員として雇用したい場合には、採用前に次の4点を確認しておきましょう。
①卒業時期と申請スケジュールを確認する
卒業後すぐに勤務を開始する予定であれば、在留資格変更の準備を早めに進めることが重要です。
採用時期だけでなく、卒業時期や現在の在留期間なども確認しておきましょう。
②正社員として担当する仕事内容を明確にする
「営業」「事務」「店舗管理」などの職種名だけでなく、実際にどのような業務を担当するのかを具体的にしておきましょう。
在留資格の審査では、求人票や職種名だけではなく、実際の業務内容が重要になります。
③学歴・専攻と仕事内容との関連性を確認する
外国人本人が大学や専門学校で何を学んだのかを確認し、正社員として担当する業務との関連性を検討します。
特に、アルバイト時とは異なる仕事を担当させる場合には、この点を事前に確認しておくことが重要です。
④アルバイト時と正社員後の仕事内容を確認する
アルバイト時と同じ仕事を続けるのか、それとも卒業後は専門性のある別の業務を担当するのかを確認します。
特に、アルバイト時とほぼ同じ業務を正社員として続ける場合には注意が必要です。
この4点を採用前に確認しておくことで、採用を決めた後に「就労ビザへの変更が難しい」と判明するリスクを減らすことができますので必ずチェックしましょう。
【まとめ】
外国人留学生をアルバイトから正社員として採用することは可能です。
ただし、卒業後も「留学」の在留資格のまま働くことはできないため、原則として就労可能な在留資格への変更が必要です。
一般企業への就職では「技術・人文知識・国際業務」への変更を検討するケースが多くなりますが、正社員として採用すれば必ず変更が認められるわけではありません。
特に重要なのは、
- 正社員として実際にどのような業務を担当するのか
- その業務が在留資格の対象となるのか
- 外国人本人の学歴・専攻と業務との関連性があるか
- アルバイト時と正社員後で仕事内容が変わるのか
という点です。
アルバイトとして問題なく勤務しているからといって、卒業後も同じ仕事を正社員として続けられるとは限りません。
「この留学生を卒業後も正社員として雇いたい」と考えている企業は、採用を決定する前に、仕事内容と本人の学歴・専攻を確認しておくことが重要です。
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「アルバイトとして働いている留学生を、そのまま正社員として採用したい」
このような場合、採用を決めてから就労ビザについて検討するのではなく、採用前に在留資格を取得できる可能性を確認しておくことが重要です。
特に、
- アルバイトと正社員で仕事内容が変わる
- 外国人本人の学歴・専攻と仕事内容の関連性が分からない
- 「技術・人文知識・国際業務」に変更できるか判断できない
- いつ頃から申請準備を始めればよいか分からない
といったケースでは、個別の事情を踏まえた確認が必要になります。
ひらま行政書士事務所では、外国人留学生の「留学」から就労可能な在留資格への変更申請をサポートしています。
採用予定の外国人の学歴・専攻や、卒業後に担当する仕事内容を確認したうえで、在留資格変更の可能性を検討します。
「この留学生を卒業後も正社員として雇いたいけれど、就労ビザが取れるか分からない」という段階でも構いません。
採用を進める前に、ぜひ一度ご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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