永住ビザを意識し始めた瞬間、多くの外国人が強い不安を感じるのが
「このタイミングで転職しても大丈夫なのか?」という問題です。

キャリアアップ、年収増加、職場環境の改善など、転職は人生を前向きに変える選択です。
しかし、永住ビザの審査では「安定性」が極めて重視されます。

そのため、

「転職=永住に不利」
「一度でも転職したら永住は無理」

といった誤解が広まりがちですが、実務上それは正しくありません。
実際には、転職そのものが問題なのではなく、「転職の中身」と「説明の仕方」が審査結果を左右します。

本記事では、永住ビザ専門の行政書士としての実務経験をもとに、

  • 申請前・申請中の転職の扱い
  • 転職回数・空白期間の考え方
  • 許可されやすい転職・危険な転職

まで、本記事で永住ビザと転職との関係性についての全体像を徹底解説しますので是非参考にしてください。

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【1】永住ビザ審査で「転職」がチェックされる本当の理由

永住ビザの審査で最も重視されるのは、学歴や職歴の華やかさではありません。
審査官が見ているのは、次の一点です。

この人は、将来にわたって日本で安定した生活を続けられるか

というポイントです。その判断材料として、主に次の3点がチェックされます。

①就労の継続性

  • 同じ分野で継続して働いているか
  • 短期離職を繰り返していないか

②収入の安定性

  • 生活保護等に頼らず生計を維持できているか
  • 収入が一時的ではないか

③法令遵守

  • 納税・社会保険に問題がないか
  • 入管法上の届出義務を守っているか

転職は、これらすべての要素に影響するため、「安定性を判断しにくくする要素」として慎重に見られてしまいます。
そのため、転職をする時期に関しては慎重に判断をしていきましょう。

▼永住ビザ申請の基本要件については下記コラムをご覧ください。
【完全版】永住ビザ申請の全て:要件・必要書類・審査ポイント・不許可回避まで総まとめを徹底解説

【2】(申請前)永住申請前の転職は不利になる?審査で見られるポイントを整理

結論から言えば、永住申請前に転職している=即不許可ということはありません。
しかし実務上、転職の内容次第では永住ビザの審査で明確にマイナス評価になりやすいケースが存在します。

重要なのは、「転職したかどうか」ではなくその転職が“永住者としての安定性”をどう評価されるかです。

①永住申請前に「不利になりやすい」転職パターン

次のような転職は、審査官から「将来の安定性が読みづらい」と判断されやすくなります。

  • 転職直後(入社1〜3か月)
  • 年収が大幅に下がっている
  • 職種・業務内容が大きく変わった
  • 正社員 → 契約社員・派遣社員
  • フリーランス・業務委託への変更

これらに共通するのは、「今後も継続して安定した収入を得られるか判断しにくい」という点です。
永住ビザは「今の状態」だけでなく、将来にわたる生活の安定性を見られる在留資格であるため、不安定要素があると慎重な審査になりやすくなります。

②逆に、プラス評価につながりやすい転職とは?

一方で、次のような転職は適切に説明できれば、むしろプラス評価になることもあります。

  • 同業種でのキャリアアップ転職
  • 年収が継続的に上昇している
  • 契約社員 → 正社員
  • 専門性がより明確になった
  • 会社規模・経営基盤が安定した企業への転職

ここで重要なのは、「転職理由」と「今後の安定性」を客観資料で説明できるかです。
単に「条件が良くなった」ではなく、履歴書・職務内容・年収推移・会社概要から合理的に説明できるかどうかが評価を分けます。

③転職後、どれくらい経てば永住申請は安全?

実務上、永住申請は「転職してから1年以上経過している状態」で行うのが最も安全とされています。
理由は明確で、

  • 新しい職場での雇用継続性
  • 収入の安定性
  • 職務内容の定着

を、源泉徴収票・課税証明書・在職証明書などの客観資料で説明しやすくなるためです。

特に転職直後の申請では、審査官は「この会社で本当に長く働けるのか?」と考えます。
この疑問に十分答えられない状態では、審査が慎重になり、結果として不利になる可能性が高まってしまいます。

そのため、特別な事情がない限り、「転職後1年以上勤務してから永住申請」が、実務上もっとも安全な選択です。

④例外的に「1年未満」でも許可の可能性があるケース

もっとも、次のようなケースでは、転職後1年未満でも許可される可能性があります。

  • 年収が大幅に上昇している
  • 上場企業・大手企業への転職
  • 医師・高度専門職など専門性が極めて明確
  • 業界内での明確なキャリアアップ

ただしこれらは、「誰でも当てはまる例外」ではありません。
説明資料の精度が低いと例外どころかマイナス評価になることもあるため、申請書類の組み立てには高度な判断が求められます。
どう作成したらいいか少しでも不安があれば、専門家に一度ご相談ください。

⑤転職回数は何回までなら問題ない?

「転職は何回までなら大丈夫ですか?」という質問も非常に多くいただきますが、明確な回数制限は存在しません。
審査で見られているのは回数ではなく、

  • 転職理由に一貫性があるか
  • 短期離職が続いていないか
  • 専門分野がブレていないか

といった中身です。例えば、

3回転職していてもすべて同業種・年収増
→ 問題にならないケースあり

2年で4回転職・職種がバラバラ
→ 安定性に強い疑問を持たれやすい

というように、「回数」ではなく「説明できるかどうか」が判断基準になります。

【3】転職時の届出・手続きの注意点と空白期間について

①届出・手続きの注意点

転職時には、入管への届出義務(14日以内)があります。
これをうっかり忘れてしまうと、

「法令遵守意識が低い」

と評価されてしまう可能性が高くなります。
特に永住申請では、「素行が善良であること」が前提条件となっております。
軽い手続きミスのつもりでも非常に危険な状態になってしまうため、忘れないように意識しましょう。

また、もう1点転職時に注意が必要なのが、業務内容の一致です。

在留資格と業務内容が一致していない転職は、不法就労となってしまい、永住以前の問題になります。
職種が変わる場合は、就労資格証明書の取得を強く推奨します。

▼就労資格証明書についての詳細は下記コラムをご覧ください。
転職するとビザはどうなる?就労資格証明書が必要なケースとメリット・デメリットを徹底解説

②転職と「空白期間」は永住審査でどう見られる?

就労ビザで、3か月以上働いていない期間があると、在留資格取消の対象になる可能性があります。
転職活動が長引いた場合でも、

  • 求職活動の証拠
  • 正当な理由の説明
  • 生活費の原資

等といったことを整理しておくことが重要です。

「仕事が見つからなかったから」という理由だけでは、正当性が認められにくい点にも注意が必要です。
もし、どのように説明書類を作ったらいいか迷われておりましたら、まずは一度専門家にご相談してみてください。

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【4】(申請中)永住審査中の転職は可能?

永住申請中であっても、法律上は転職すること自体は可能です。
しかし実務上、申請中の転職はリスクがかなり高まります。
その理由は、永住審査が「申請時点の状況を前提に、許可・不許可を判断する制度」だからです。

①申請中の転職が特に危険とされる理由

永住申請では、申請時点の

  • 勤務先
  • 雇用条件
  • 年収水準
  • 職務内容

等の条件を前提に、「この人は今後も安定して日本で生活できるか」が審査されています。
申請中に転職をすると、この“審査の前提そのもの”が途中で崩れることになります。
その結果、

  • 審査内容の再確認
  • 追加資料の提出要請
  • 判断保留・審査の長期化
  • 安定性に対する慎重評価

が発生しやすくなります。
これは、「転職したから即不許可」という単純な話ではなく、審査官が一度組み立てた判断を、最初からやり直す状態になると考えるとイメージしやすいでしょう。

②「申請中」は評価フェーズに入っている期間

申請前の転職は、「どう説明すれば評価されるか」を設計する余地があります。
一方で申請中は、すでに

  • 評価が始まっている
  • 判断材料が提出済み
  • 結論に向けて整理が進んでいる

フェーズです。この段階での転職は、審査官から見ると「安定性」についての疑問を生じさせやすくなりますので注意が必要です。

③やむを得ず申請中に転職する場合の考え方

会社都合退職や倒産など、申請中でも転職せざるを得ない事情が生じることもあります。
その場合に重要なのは、「転職した事実」よりも、「審査の前提がどう変わったのか」を整理できるかです。

  • 収入水準はどう変わったのか
  • 職務内容の専門性は維持されているか
  • 雇用の安定性はむしろ高まっているか

これらを整理せずにいると、審査官は安全側に判断せざるを得なくなります。

実務上の結論として永住申請中の転職は、

  • 法律上は可能
  • しかし審査上は「前提を崩す行為」
  • 特別な事情がない限り避けるべき

という位置づけになります。
可能であれば、永住許可が下りてから転職することが、実務上もっとも安全で確実な選択です。

【まとめ】永住ビザと転職は「時期」と「説明」で結果が決まる

永住ビザの審査において、転職そのものが直ちに不利になるわけではありません。
審査官が一貫して見ているのは、「この人が将来にわたって日本で安定した生活を続けられるか」という一点です。
そのため、永住ビザと転職の関係は、次のように整理できます。

≪申請前の転職≫
→内容次第では不利にも有利にもなる。
→キャリアの一貫性、年収の推移、雇用の安定性を合理的に説明できるかが重要。

≪転職回数・空白期間≫
→回数そのものに基準はなく、「理由に一貫性があるか」「短期離職を繰り返していないか」が評価される。

≪転職時の届出・手続き≫
→届出義務違反や在留資格と業務内容の不一致は、永住以前の問題になり得るため要注意。

≪申請中の転職≫
→法律上は可能だが、審査の前提を崩す行為となり、実務上はリスクが極めて高い。
→特別な事情がない限り、永住許可後まで待つのが最も安全。

つまり、永住ビザにおいて問題になるのは「転職したかどうか」ではなく、「その転職が永住者としての安定性をどう評価されるか」です。
自己判断で進めてしまうと、

「実は少し待てば安全だった」
「説明次第で避けられた不利評価だった」

というケースも少なくありません。

永住ビザと転職、判断を間違えないために

永住ビザと転職の判断は、一度つまずくと、やり直しに数年かかることもある重要な分岐点です。

  • 今の転職は永住申請に影響しないのか
  • 申請前と申請中、どこが決定的に違うのか
  • この職歴・年収推移で本当に大丈夫なのか

こうした判断は、ネット上の一般論だけでは見極めが困難です。
実務では、「同じ転職内容」でも説明の組み立て次第で結果が分かれるケースを数多く見てきました。

当事務所では、永住ビザ専門の行政書士が、

  • 転職歴・職務内容・年収推移の精査
  • 永住審査で不利にならない説明設計
  • 申請時期の最適な判断

まで含めて、永住許可を前提とした実務的なアドバイスを行っています。

「この転職、本当に今していいのか?」
「申請してから後悔したくない」

そう感じた時点で、一度専門家にご相談ください。
早めの確認が、最短で安全に永住を取得する近道になります。

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【重要】永住ビザと納税記録・社会保険加入の関係(不許可事例から対策例付)

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