【1】転職するとビザはどうなる?まず理解すべき仕組み
就労ビザは、
「特定の会社で、特定の仕事をすることに対して許可されるもの」
です。
たとえ同じ職種であっても、企業が変わると 審査の前提条件が変わります。
例:技術・人文知識・国際業務ビザの場合
| 現状 | 転職後 |
|---|---|
| A社でシステムエンジニアとして勤務 | B社で同じSE職に転職 |
一見問題なさそうですが、B社に転職すれば改めて適格性を審査されることになります。
なぜなら、入管では
- 会社の規模・安定性
- 活動内容の適法性
- 報酬水準(生活できる収入か)
なども審査の対象になるからです。そのため審査の結果が、
「転職先の業務が現在の在留資格に該当しない」
と判断されると再度転職活動をし直すか、最悪の場合は、
更新が不許可→就労不可→退職→帰国
という事態になりかねません。
このリスクを回避するために活用できる制度が
就労資格証明書
です。
【2】就労資格証明書とは?取得すべきケースは?
就労資格証明書とは、
「新しい転職先で働くことが在留資格の活動範囲内である」ことを入管が確認し、証明する書類です。(入管法第19条の2)
つまり、
「転職後もその仕事で合法的に働くことができる」
ことを法務大臣が文書で証明する制度です。
転職後の業務内容が現在のビザに適合しているかを事前に確認できるため、更新時の不許可リスクを大幅に減らせます。
注意点として就労資格証明書は、就労許可証そのものではないため、この書類がもらえたからと言って更新時の許可が保証されるものではありません。
また、「提出がないことを理由に採用差別をしてはならない」(入管法19条の2)という入管法の定めもあり、必須ではない任意の制度となっております。
- 転職後、初めての在留資格更新
- 在留期限まで6ヶ月以上ある
- 業務内容に変更点がある(職種変更など)
- 会社規模が大きく変わる(ベンチャー、設立間もない等)
- 役職に変更がある(一般職→管理職)
≪不要な場合もある≫
- 同職種で大企業から大企業への転職
- 更新が近く、更新+転職同時申請の方が早いケース
一人ひとりの状況によって選択が異なります。判断に迷われたら迷わず事前に専門家へ相談することが重要です。
【3】就労資格証明書申請の3つの大きなメリット
メリット①「事前に入管から“働いて良いか”の正式判断がもらえる」
就労資格証明書の最大の価値は、入管が “この企業でこの業務を行うことは在留資格上も問題ない” と公式に確認してくれる点です。
転職後にいきなり「更新が不許可」「資格外活動違反の疑い」と指摘されてしまうケースは決して珍しくありません。
特に、職務内容が前職と若干異なる場合 、職種の枠が広い「技術・人文知識・国際業務」 の場合は入管担当官による判断差が大きいため、事前の適法性確認は大きな安心材料となります。
例:営業職→企画職、通訳→マーケティング、ITエンジニア→プロジェクトマネージャー(PM)など
書類だけでは繋がりが理解されにくく、不許可リスクが高まります。
就労資格証明書は“保険証”のような存在であり、取得しておくことで更新時のリスクを大幅に下げることができます。
メリット②「在留期間更新がスムーズになる」
転職後に初めて在留期間更新を行う際、入管は
「前職と新職で業務内容に一貫性があるか」
「適切な給与水準か」
「会社に継続性・安定性があるか」
を厳しく確認します。
この時に就労資格証明書があると、すでに適法性の判断が終わっているため更新審査では会社資料の提出量が減り、審査がスムーズに進みやすいという大きなメリットがあります。
実際、弊所でも就労資格証明書を取得している場合の更新は提出書類が半分以下で済むケースも多数あります。
逆に提出が遅れると、
「会社資料を再提出してください」
「補足説明書を追加で提出してください」
と入管からの要求が何度も届き、更新期限ギリギリでヒヤヒヤする事態に陥りやすくなってしまうため、事前の準備が大切になってきます。
メリット③「転職者の信用度が上がり、企業側の安心材料になる」(不法就労防止)
企業にとって外国人採用の不安要素は、採用後にビザトラブルが発生し雇用できなくなるリスクです。
就労資格証明書の提出ができると、
「ビザに問題ない人材=安心して採用できる人材」 という評価を企業側に与えます。
つまり、「採用しても働けない」という最悪の事態を防止し、また、不法就労助長罪のリスク回避をすることができるので企業側にとっても大きなメリットとなります。
結果として、就労資格証明書があると転職活動が有利になり、内定承諾後の入社日スケジュールがスムーズに進む、といった申請人と企業側両社にとって大きなメリットがあると言えます。
【4】就労資格証明書のデメリット(取得前に知るべき点)
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 審査に1〜3ヶ月かかる | 在留期限が短いと更新に間に合わない可能性 |
| 許可が確約されるわけではない | 許可書ではなく確認書 |
| 会社側の資料準備負担がある | 決算書・事業計画書などが必要な場合あり |
| 在留資格変更や更新を同時に行う方が早いことも | 状況により判断が必要 |
【5】不許可になりやすい典型例(業務内容の不一致・実態不備)
≪典型例①≫職務内容が資格範囲外
例:システムエンジニア → 飲食店のホールスタッフに転職
→単純労働と判断され不許可の代表例
≪典型例②≫ 会社の実態が弱い
- 設立間もない、売上がない
- 業務内容説明が曖昧、提出資料不足
≪典型例③≫ 書類の矛盾
- 雇用契約書の業務内容と会社説明資料が違う
- 転職理由書と経歴に食い違い
ほとんどの不許可は書類の整合性不足と説明不足が原因です。
そのため、書類準備にご不安が少しでもあれば、そのまま進めずに専門家にご相談ください。
【まとめ】転職成功の鍵は「事前準備」と「就労資格証明書」の活用
外国人が日本で転職する際の最大の注意点は、在留資格は “特定の会社で特定の業務を行うことに対して許可されている” という点です。
たとえ職種が同じでも、転職先の会社規模・業務内容・報酬水準が変われば、入管は改めて適格性を審査します。
この仕組みを正しく理解せずに進めると、更新不許可→就労不可→退職→帰国 となるリスクがあります。
この不安を解消できる制度が 「就労資格証明書」 です。
入管が事前に「転職後の業務がビザの活動範囲内である」と公式に確認してくれるため、転職後の更新がスムーズになり、企業側にも大きな安心材料となります。
特に 業務内容に変化がある・初めての更新・会社規模が変わる・役職が変わる といったケースでは取得の効果が大きいと言えます。
一方、審査には1〜3ヶ月かかるため、結果として「該当しない」という通知が来ると、時間も大幅にロスしてしまう可能性があります。ミスの典型的な原因は、業務内容の不一致、会社資料の不足、説明書のミス が圧倒的に多いです。
だからこそ、転職を成功させるためには 退職前の段階での計画と専門家への早期相談が重要 です。
~転職後のビザに不安がある方・人材採用でお困りな方へ~
- 自分のケースで就労資格証明書が必要か判断してほしい
- 不許可リスクを事前に確認したい
- 退職日・入社日のスケジュール設計が必要
- 書類作成や業務内容説明が不安
迷っている今が、最も相談すべきタイミングです。
1つの判断ミスが、キャリアと生活の両方を左右してしまいます。
”時間”という、戻らない財産を無駄にしないためにもこのようなお悩みがございましたら、迷わずご相談ください。
© ひらま行政書士事務所 / 在留資格・帰化申請サポート
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