永住申請を検討している方から、必ずと言っていいほど聞かれるのが「出国日数」の問題です。

  • 海外出張が多く、年間で日本にいない日がかなりある
  • 出産や育児、家族の事情で長期帰国した期間がある
  • パスポートを見ると、毎年何度も出入国を繰り返している

このような状況にあると、「このまま永住申請して大丈夫なのか」「もう少し日本にいないと無理なのでは」と不安になるのは自然なことです。

結論から言えば、出国日数が多いことだけを理由に、永住申請が即不許可になるわけではありません。
しかし同時に、出国日数への理解が浅いまま申請すると、不許可につながりやすい要注意ポイントでもあります。

本記事では、「何日までなら安全か」といった表面的な話ではなく、

審査官が出国日数をどう見ているのか
出国が多い人が永住許可を得るために何を整えるべきか

を、実務ベースで徹底的に解説しますので是非参考にしてください。

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【1】永住申請で出国日数が問題になる本当の理由

冒頭の通り、永住申請を検討している方の多くが、最初に気にするのが「海外に何日まで出国していても大丈夫なのか」という点です。
実際、

「年間100日を超えの出国」
「1回3か月以上の出国」

は今までの滞在カウントがリセットされて0になってしまう。
といった情報を目にし、不安になる方は少なくありません。

実際のところ、入管法や審査要領に「出国日数は〇日以内でなければならない」といった規定はありません
問題となるのは、永住許可要件の一つである

”「引き続き本邦に在留していること」”

という国益要件に関わってきます。

この要件は、単に在留資格が切れていないという形式的な連続性だけでなく、実際の生活の中心が日本にあったかどうかまで含めて判断されます。
審査官は、出入国記録を見ながら次のような視点で確認しています。

  • 日本は本当にこの人の生活拠点なのか
  • 仕事・家族・住居・社会保障の中心はどこにあるのか
  • 書類上だけ日本に住んでいる状態ではないか

出国日数が多いと、これらの点について疑問を持たれやすくなるため、慎重な審査に移行してしまうという仕組みです。

【2】実務で使われている出国日数の判断について

≪1≫実務上の判断ライン

上述の通り、永住申請には明確な日数基準はありませんが、実務ではおおよそ次のような感覚で見られています。

年間の出国日数:0〜60日程度

日本で生活していると評価されやすく、出国理由を細かく問われるケースは多くありません。
他の要件(年収・納税・在留年数など)が整っていれば、比較的安定したゾーンです。

年間の出国日数:60〜100日程度

このゾーンから、「なぜ出国が多いのか」という説明が必要になります。
理由説明が弱い場合や、日本での生活基盤が見えにくい場合には、減点評価となる可能性があります。

年間の出国日数:100日超

慎重審査ゾーンです。
単なる説明書だけでは足りず、客観資料による立証がなければ、不許可のリスクが高まります。

ここで重要なのは、直近1年だけでなく、数年間の傾向が見られるという点です。
永住申請に関しては年々厳格化傾向にあるため、この出国日数に関しても慎重に判断されております。

「結局、何日までなら大丈夫なの?」と気になる方も多くいらっしゃいますが、
現状、「3カ月以上の連続した出国」と「1年間の合計で100日以上の出国」に関しては今までの滞在カウントリセットされ不許可となってしまっている事例が多数あります。

しかし、日数だけで可否を判断しようとすると、重要な論点を見落としやすくなります。
例えば、

  • 出国日数は少ないが、生活実態の説明が弱い
  • 数字は問題ないが、書類同士に整合性がない

といったケースでは、不許可になることも珍しくありません。
一方で、

  • 出国日数は多いが
  • 日本での生活・就労・納税が明確に説明できている

という場合には、許可されている事例もあります。
永住申請において重要なのは、「数字」ではなく「説明できる状態に整理されているか」が大きなポイントとなります。

≪2≫出国が多い人の永住申請のタイミング

出国日数に不安がある場合、いつ申請するかが非常に重要です。
特に評価に影響しやすいのは、

  • 直近1年間の出国日数
  • 最長在留期間(3年・5年)を持っているか
  • 納税・年金・社会保険が完全に履行されているか

可能であれば、直近1年は出国を抑えた状態で申請することで、審査官の評価は大きく改善します。
一方で、状況によっては「今は出さない方が良い」という判断が最善になるケースもあります。

申請前に、出入国記録を最寄りの出入国在留管理局で取得して、正確な情報を把握し、必要に応じて対策を立てることが重要です。
その上で一度、今、自分は申請しても問題ないのかどうか、を専門家に相談して進めた方がより安全に許可の道へと進んでいただけます。

出国日数に不安がある方へ

出国日数が多い永住申請は、日数より「申請タイミングと説明の仕方」で結果が分かれます。
自己判断で進めると、本来不要な論点を増やしてしまうケースも少なくありません。
当事務所では、出入国記録をもとに
今申請して問題ないかを事前に確認しています。

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【3】永住申請と出国日数に関する実務Q&A8選

ここからは実際に多い事例としてのQ&Aを解説させていただきます。

年間100日を超える出国が1年だけあります。それでも永住申請は可能ですか?

結論から言うと、申請自体は可能ですが、審査は確実に慎重かつ厳しくなります。

第一章でも述べましたが、永住審査では「年間○日までならOK」という明確な基準はありません。
ただし実務上、年間100日超の出国がある年が存在する場合、次の点が重点的に見られます。

  • その年が直近1年なのか、数年前なのか
  • 出国日数が一時的なものか、複数年続いているか
  • 他の年と比べて、突出して多い年になっていないか

特に注意すべきは、「直近1年で出国日数が突出して多いケース」です。
この場合、

「日本に生活の本拠があるか」
「永住意思が安定しているか」

という点で、入管が慎重に判断します。
単に日数だけで判断せず、その年の事情をどのように説明するかが、許可・不許可を分けるポイントになります。

出国日数が少なければ、永住申請は安全だと考えていいですか?

いいえ。出国日数が少なくても、不許可になるケースは珍しくありません。

永住審査で本当に見られているのは、「日本での生活実態が一貫しているか」です。
例えば、出国日数が少なくても、

  • 納税や年金に未納・空白期間がある
  • 転職が頻繁で、就労実態が安定していない
  • 住居の実態が不明確(名義だけ、実際は不在が多い)

といった事情があると、「出国日数が少ない=有利」とは評価されません。
出国日数はあくまで判断材料の一部であり、他の要件との総合評価で決まる点に注意が必要です。

海外出張が多い仕事ですが、永住申請は不利になりますか?

海外出張が多いこと自体は、不利とは限りません。
ただし、「職業特性としてどう説明できるか」が極めて重要です。

海外出張が多い方の場合、審査官が見ているのは「出国日数の多さ」そのものではありません。
実務では、次のような点が重視されます。

  • 出国が会社の業務命令・職務上の必要性によるものか
  • 出国中も日本の会社との雇用関係が継続しているか
  • 給与の支払先、社会保険、納税などが日本を基点としているか
  • 海外に生活拠点が移っていないか

つまり、評価の軸は「海外に行っている時間」ではなく、「仕事と生活の中心がどこにあるか」です。
注意すべきなのは、

「仕事だから仕方ない」

という抽象的な説明だけで済ませてしまうケースです。
職務内容や出張の位置づけが不明確だと、

  • 日本に常駐する前提の雇用なのか
  • 実質的に海外勤務ではないのか

といった疑念を持たれやすくなります。
海外出張が多い方ほど、職種・業務内容・日本勤務との関係性を具体的に説明することが、永住許可に向けた重要なポイントになります。

永住申請後に海外旅行や出張に行っても問題ありませんか?

短期間(1~2週間程度)の出国であれば、通常はそれだけで不利になることは多くありません。
ただし、申請中に次のような出国がある場合は注意が必要です。

  • 3か月以上の長期出国
  • 申請理由書の内容と矛盾する頻繁な海外滞在
  • 「永住申請中なのに日本不在が続く」状態

これらは、「永住の意思が本当にあるのか?」という疑問を持たれる原因になります。
申請後の出国予定がある場合は、申請時期自体を調整する判断も重要になります。

永住の審査は許可が下りるまで、申請後の現在の状況も審査が続いております。
「申請したら後は許可出るまで海外にいよう!」という考えは危険で、永住許可が出るまでは出国日数に気を付けましょう。

出国理由の説明は、自分で判断して書いても問題ありませんか?

自己申請の際、実務的には、ここが最も失敗しやすいポイントです。
出国日数が多い場合の理由の説明には、

  • 書かなければ「説明不足」
  • 書きすぎれば「自ら論点を増やす」

という相反するリスクがあります。
自己判断で理由書を作成すると、

  • 本来触れなくてよい事情まで詳述してしまう
  • 出国理由と他の申請内容(就労・年収・生活実態)との整合性が取れていない

といった理由で、追加資料請求や審査長期化につながるケースが少なくありません。
出国日数に不安がある場合ほど、理由書の作成は慎重に行う必要があります。

実務上、当事務所では、「説明すべき出国」と「あえて詳細に触れなくてもいい出国」を見極めて理由書を作成しますのでお気軽にご相談ください。

自分の出国日数が永住申請に影響するか、事前に確認する方法はありますか?

あります。
実務では、単に日数を数えるだけでなく、

  • 出国の「時期」「理由」「継続性」
  • 他の審査要件(年収・納税・就労状況)とのバランス

を総合的に確認した上で判断します。
表面的な情報だけでは、「出してみないと分からない」という状態になりがちで一番危険です。

そのため、申請前に専門家による事前診断が非常に重要になります。

出産や育児のために長期間帰国しました。永住申請で問題になりますか?

出産・育児は合理性が認められやすい理由ですが、それだけで自動的に評価されるわけではありません。
審査では、

  • なぜ日本ではなく母国で出産・滞在する必要があったのか
  • 日本の住居・配偶者・生活基盤が維持されていたか
  • 帰国後、日本で生活を継続する明確な計画があるか

といった点が見られます。

コロナ禍で帰国できず、出国期間が長くなりました。考慮されますか?

現在も、コロナ禍による不可抗力は考慮対象です。
ただし、不可抗力であっても説明責任が免除されるわけではありません。

評価されやすいのは、

  • 入国制限・欠航など客観的事情がある
  • 出国中も日本での雇用・納税・住居が維持されていた

といったケースです。

【まとめ】永住申請における出国日数で本当に問われていること

永住申請において、出国日数は確かに重要な審査ポイントです。
しかし、それは単純な「日数オーバー=不許可」という話ではありません。
審査官が見ているのは、常に次の一点です。

この人の生活の中心は、本当に日本にあるのか

この判断のために、

  • 出国日数の多さ
  • 出国の理由や継続性
  • 日本での就労・家族・住居・納税状況

といった事情が、総合的にチェックされています。
実務上は、

  • 出国日数が少なくても、生活実態の説明が弱ければ不許可になるケース
  • 出国日数が多くても、日本基盤が明確に整理されていれば許可されるケース

の両方が存在します。
また、重要なのは「過去」だけではありません。
申請のタイミングや、申請後の行動(審査中の出国)も含めて評価されるため、

今、本当に申請すべきか
どこまで説明し、どこは触れない方がよいか

といった判断を誤ると、本来は許可され得た案件でも不利に進んでしまいます。
永住申請における出国日数の問題は、
数字の問題ではなく、「整理と説明の問題」だと言えるでしょう。

出国日数に不安がある方へ|永住申請は「出す前の判断」が最も重要です

出国日数が多いケースの永住申請は、「とりあえず出してみる」ことが、最も危険な選択になりやすい分野です。

  • 出国理由はどこまで書くべきか
  • 直近1年の状況で申請してよいのか
  • 申請後の出国予定は問題にならないか

これらを自己判断で進めてしまい、

  • 不要な論点を自ら作ってしまう
  • 本来不要だった追加資料を求められる
  • 審査が長期化・不利な方向に進む

といったご相談は、実務上少なくありません。
当事務所では、永住申請を専門に、

  • 出入国記録をもとにした事前リスク診断
  • 「説明すべき出国」と「触れなくてよい出国」の整理
  • 審査官の視点を踏まえた理由書作成

を行っています。

「今の状況で申請して大丈夫か」
「出国日数がどこまで影響するのか」

少しでも不安がある方は、申請前に一度ご相談ください。
正しく整理することで、永住許可への道筋が見えるケースも少なくありません。

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