「帰化申請って、どれくらい時間がかかるんですか?」
——これは当事務所でも最も多く寄せられるご質問です。

結論から言えば、平均で10か月~1年程度

長ければ1年半ほどかかってしまう方もいらっしゃいます。
なぜこのような【期間の幅】が出てしまうのか。その明確な理由としては、申請前の準備の仕方です。
それにより数か月も変わることがあるのです。

この記事では、

審査を早めるための実務的ポイント

審査が遅れるよくある原因

まで、現場目線で解説します。

これから解説するポイントをクリアしている方については、最短8か月で許可が下りることもありますので是非参考にしてください。

①帰化申請の平均審査期間と申請前の注意点

法務局での審査期間は全国一律ではありません。
平均的な審査期間としては、東京・大阪のような申請件数が多い地域では、1年〜1年半ほどかかることもあります。
一方で、地方の法務局では半年程度で許可されるケースもありますが、冒頭お伝えした通りおおむね1年前後が平均の期間となっております。

また、申請時の提出書類についても、基本的にはどこの法務局でも提出書類は変わりませんが、各法務局によって細かい違いはあります。

例えば、

・納税通知書
・課税明細書

などについて、必要なのは過去2年分なのか過去3年分なのか。と、提出する書類の必要な年数が異なる場合もあれば、そもそも提出が必要な書類もあれば不要な書類もあったりと、提出書類も異なります。

そのため、申請前に自分がどこの管轄の法務局なのかを必ず確認して提出書類を準備しましょう
また、国によって必要書類は異なりますので、常に最新の情報を確認するか、我々専門家に確認するようにしてください。

②帰化申請の流れと、どの段階で時間がかかるのか?

帰化申請の流れは以下の通りです。

①法務局での事前相談
②必要書類の収集・作成
③本申請(受理)
④面接
⑤審査
⑥許可・官報告示

このうち、審査期間の長短を最も左右するのが②の「書類準備」です。
収集する書類は多岐にわたります。戸籍、課税証明、源泉徴収票、在職証明書、登記簿、在留資格証明書・・・など母国書類を含めると、20種類以上に渡り100ページ以上に及ぶことがほとんどです。
そのため、記載内容の一文字違いや住所の表記漏れ等細かいミスで書類が差し戻しになり審査期間が延びてしまう、ということが多いのが現状です。
このような中断が起きてしまわないように行政書士のサポートで「最初から完璧な書類」を整えることが結果的な近道となります。

③審査を早く進めるための実践ポイント5選

審査をスムーズに進めるための現場的ポイントを、実例ベースで紹介します。

【1】書類の正確性・整合性を徹底する

こちらが審査期間を延ばしてしまう一番の原因です。
中でも特に多いのが、「名前や日付の記載ミス」「母国書類が未翻訳」などの細かい記載ミスや書類漏れ。

また、外国籍の方の場合、母国の表記と日本の書類での氏名のローマ字が微妙に違うケースもあります。
この事前の整合性チェックを怠ると、照会に時間がかかり審査がストップしてしまいます。

【2】納税・年金の未納をなくす

納税状況や社会保険加入状況は、「日本で安定的に生活しているか」を示す重要要素。
1回分でも未納があると、追加確認が必要となり数か月の遅れの原因となってしまいます。
また、帰化申請の条件の一つである素行要件の審査対象は、扶養家族も審査対象となります。
配偶者が社会保険料を滞納してた場合は帰化が難しくなってしまうので注意しましょう。

【3】役所で取得する書類は同じ月にまとめて取得する

基本的に各役所で取得する書類の有効期限は3か月間です。
各必要書類をバラバラのタイミングで取得すると、申請時には期限切れになってしまい再取得する必要が出てしまう可能性があります。
そのような面倒を避けるためにも、必要な書類は同じ月や同じ日にスケジュールを調整してまとめて取得することがおすすめです。

【4】一貫した動機書の作成

帰化申請で提出する「動機書」について、実務上は自筆500字前後で簡潔に作成することが一般的です。
ただし、形式的でも他の書類や面接時との整合性が大切です。
たとえば、動機書で「家族の将来のため」と書いているのに、実際には単身赴任が続いたり、面接時に書面と違う内容を話していたり等、内容が不自然だと審査が止まることも出てしまいます。

つまり、「上手に書く」よりも「矛盾なく書く」ことが重要です。
行政書士はこの整合性を確認し、審査官が読みやすい形に整える役割を担っています。

作成時は以下の流れに沿って作成するとスムーズに作成できると思いますので参考にしてください。

【ステップ①】来日の動機・経緯
【ステップ②】日本での経歴
【ステップ③】日本での生活や仕事の感想
【ステップ④】帰化申請をするにあたり、本国に対する思い
【ステップ⑤】今までに実施した又は将来実施したい社会貢献等
【ステップ⑥】なぜ帰化をしたいのか

これらを簡潔にまとめて作成しましょう。「書いたけど、これでいいのかな?」といったお悩みがあれば、そのままにせずご相談ください。

【5】面接前に内容整理をしておく

面接では、家族構成・勤務状況・生活実態などを聞かれます。
申請書と回答内容にズレがあると、補足調査や再面談になることも。
書類のコピーを見ながら事前に質問を想定して練習しておくことが、最も簡単な対策です。

【6】転職・転居は申請の時期に注意

申請直後に転職や引っ越しをすると、「安定性の再確認」で審査が延びる傾向があります。
職場や住所が落ち着いた時期に申請するのが理想です。

④審査が遅れるよくある原因とその回避法

審査期間を左右する(審査が遅れる)主な要因は以下の通りです。

【1】書類不備・誤記
→書類の記載内容が一致しない(住所・生年月日など)。特に外国の証明書との整合性が取れていないケース。

【2】納税・年金の未納・遅延
→市県民税・国民年金・健康保険料などの支払いが確認できないと、照会や再確認が発生。

【3】申請後の転職・転居
これは、特に注意することです。申請内容と生活実態が変わると「安定性の再確認」が必要になり、審査が一時停止、最悪の場合不許可となります。そのため、許可が下りるまでは、仕事や生活の環境を変えることは極力控えましょう。

【4】家族関係書類の不足・不整合
→日本人配偶者や子どもの書類に抜けや誤りがあると、家族全体の調査が長引く。

【5】面接内容と書面の不一致
→面接での回答が書類内容と食い違うと補足調査が必要になる。

【6】動機書や書類間の整合性不足
→動機書の内容と実際の生活状況に矛盾があると、審査官の確認が増える。

つまり、多くの人が「法務局が遅い」と思いがちですが、実際には「申請者側の書類不備・整合性の欠如」が原因の8割を占めます。
必要な書類が整っていないと確認に時間がかかるという構造なのです。

これらの原因を回避する方法としては、しっかりとした提出書類の事前確認をしていきましょう。
特に提出前のダブルチェックは有効で、「外国の書類を翻訳する場合」や「家族関係が複雑な場合」には、行政書士が確認してから提出する方が圧倒的にスムーズです。
本来であればスムーズに許可が下りるはずなのに、ちょっとしたミスにより半年も期間が延びてしまう。ということが無いように少しでも不安があれば専門家に確認したほうが安全に進められます。

【まとめ】自分でできる?それとも行政書士に依頼すべき?

実際のところ、法務局では個人で申請する方も少なくありません。
しかし、現場では次のような“落とし穴”がよくあります。

  • 書類不備で数か月差し戻し
  • 面接後に追加資料を求められる
  • 申請中に転職して再提出になる

一度つまずくと、許可が下りるまで半年以上遅れることも珍しくありません。

一方、行政書士がサポートした場合、

準備から許可まで最短8か月

ということも可能になります。

行政書士がサポートすることで、単に「書類を作る」だけでなく、審査官の視点での整理・整合性確認ができる点が大きな違いです。

つまり、帰化申請の審査期間は、法務局の混雑だけでなく、申請書類の完成度次第で大きく変わります。
また、「動機書」は短くても、他の書類との一貫性が取れているかどうかがポイントです。

「動機書は自分で書けるけれど、“許可される形”に仕上げるのは意外と難しい」

というお悩み相談も良くいただきますが、少しでも不安があれば専門家に相談することが安全です。

帰化申請の審査期間は準備をしっかりと行えば、審査期間は確実に短縮できます。
もし「どこから始めたらいいかわからない」「動機書に何を書けばいいか不安」という場合は、行政書士への相談が最も確実な第一歩です。

当事務所では帰化申請を専門としており、多くのお客様のお悩みを解決させていただいております。

まずは「自分は帰化できるのか?」といった事前診断も無料でやっておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

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